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【茨城】

自治会が高齢者送迎 公共交通の空白補う 常陸太田市の高倉地区

ワゴン車に乗り、お客さんの元へ出発する住民ボランティア=常陸太田市で

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 公共交通機関がない地域の高齢者らの移動手段を確保するため、常陸太田市北部の高倉地区で、住民の自家用車による移動支援サービスが始まった。国土交通省によると、法人格を持たない自治会による有料のサービスは県内初。コミュニティーバスや乗り合いタクシーの導入に加え、公共交通空白地帯の解消に向けた新たな取り組みとして注目を集めそうだ。 (山下葉月)

 運営するのは地元住民でつくる「高倉地域づくりの会」。毎週火曜の午前九時〜午後五時に旧水府村内を運行する。事前に地区の住民が予約しておけば、五人乗りのワゴン車で迎えに行き、目的地まで送り届ける。料金は一回の利用につき三百円。地区のボランティア九人が交代で運転する。ワゴン車は国の地方創生加速化交付金で購入した。初日の十三日、八十代の女性ら二人が利用した。

 高倉地区は、竜神大吊(つり)橋に近い山間部に位置する。人口五百六十二人で、六十五歳以上の高齢化率は52・1%(一日現在)に上る。地区内に鉄道の駅やタクシー会社はなく、住民の主な移動手段は路線バスだが、市によるとバス停から五キロ離れている集落もあるという。通院している高齢者も多く、市は乗り合いタクシーを導入したが、運行は週一回だけで、住民の足の確保が課題になっていた。

 石井憲一会長(70)は「ドライバーはみな、地域の人と顔なじみなので、安心して使ってほしい」と話し、今後、回数を増やしていく考えを示した。

 これまで、公共交通の空白地帯で旅客運送ができるのは、法人格を持つNPO法人などに限られていたが、二〇一五年四月の国の制度改正で、自治会や青年団などにも事業が認められるようになった。国交省によると、佐賀県伊万里市の波多津町まちづくり運営協議会が既にサービスを実施している。

 

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