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【茨城】

震災6年 汚染土壌いまだ行き場なし 焼却計画に悩む東海村

国体会場となるホッケー場のすぐそばにある廃棄物。左奥では国体会場整備に向けて工事が進んでいる=東海村で

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 東京電力福島第一原発事故の除染で発生した土壌や落ち葉など、放射性物質で汚染された廃棄物の処分に東海村が頭を痛めている。一時保管場所の近隣住民からは「早く撤去してほしい」という要望が上がるが、自前の焼却施設がないため処分できず、今も県内で最も多い除染廃棄物を抱え込んでいる。六カ所ある保管場所の一つは、二〇一九年に開催される茨城国体のホッケー会場に隣接しており、早急な対応が求められている。(山下葉月)

 「震災から六年以上がたち、汚染土壌のことが忘れられているような気がした」。先月下旬、村政懇談会で早期の解決を訴えた石神地区の自治会長の本田篤己さん(66)は振り返る。地区にある石神城址(じょうし)公園には、廃棄物を詰めたフレコンバッグが敷き詰められ、周囲は雑草が生え放題になっている。昨年四月の地上一メートルの空間放射線量率は最大〇・一二マイクロシーベルトで、環境省が除染の基準としている〇・二三マイクロシーベルトよりも低い。しかし本田さんは「放射線量が低いと言われても子を持つ若いお母さんは嫌がるだろう」と話す。

 国道245号沿いにある阿漕ケ浦(あこぎがうら)公園では現在、国体に向け、ホッケー場の改修工事が急ピッチで進んでいる。汚染された土壌や廃棄物の保管場所は会場の北側に隣接し、黒いフレコンバッグがぎっしり並べられ、その上を遮水シートで覆っている。

 原発事故後、村は独自の基準で、公園や工業団地など村内六カ所を除染、汚染土壌約四千五百立方メートル、廃棄物約二千五百立方メートルを現地で一時保管している。

 放射性物質汚染対処特措法では、汚染土壌は最終処分までの間、自治体が設けた仮置き場に保管するか、除染現場の敷地内に一時保管する。福島県では汚染土壌を国が設置した中間貯蔵施設に運び込んでいるが、環境省は福島県のほかは、処分の道筋を示していない。

 環境省によると、除染で発生した落ち葉や木の枝などの廃棄物は、八千ベクレルに満たなければ焼却処分できる。村によると、村内にある廃棄物も八千ベクレル未満で焼却が可能だが、焼却場所はひたちなか市と共用する「ひたちなか・東海クリーンセンター」を使うしかない。

 村は市と調整を進めているが、焼却の残り物や灰の保管場所、焼却スケジュールなどを巡って話し合いは難航している。市の担当者は「来年度中に焼却処分を開始したいが、灰の管理場所をどうするか。センターは市内にあるため、住民説明も必要になってくる」と説明する。

 市と調整を進める一方、村は国体に向け、とりあえずは保管場所の移設先を決めたい考え。村の担当者は「移設先の選定は最大の課題。近くの住人はきっと嫌がるはず」と困惑ぎみに話した。

 <県内の除染> 原発事故後、国は平均的な空間放射線量率が0・23マイクロシーベルト以上の自治体を「汚染状況重点調査地域」に指定。県内では19市町村が該当し、国のガイドラインに基づき、放射性物質が付いた土や枯れ葉などをフレコンバッグに詰め、一時保管している。県内で除染廃棄物が最も多いのは東海村の約2500立方メートル。

 

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