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【茨城】

<いばらき未来人>夢はツール・ド・フランスV 自転車界の新星・茨城町の14歳、篠原さん

愛車にまたがる篠原さん。栄光のゴールに向け、思い描く道をこぎ出そうとしている=茨城町で

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 世界最高峰の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」総合優勝を目指す次世代のホープが茨城町にいる。町立明光中三年の篠原輝利(きり)さん(14)だ。八月の全日本自転車競技選手権でU15(十五歳以下)の部を制し、国際大会での優勝経験も持つ。中学卒業後に単身フランスへ渡り、武者修行する予定。ツール・ド・フランスの勝者のみに与えられる栄光の証し「マイヨ・ジョーヌ」のために−。 (越田普之)

 「二十歳までにワールドツアーの出場チームに入り、二十三歳でツール・ド・フランスの新人賞を取る」。一七一センチ、五九キロ。アスリートとしては決して大柄ではないが、篠原さんは世界と戦うための強いハートを備えている。

 ロード用自転車との出合いは小学六年の十一月。父・浩一さん(45)と訪れた自転車店で、格好良さに目を奪われた。三万円の自転車を買ってくれた浩一さんから「どうせやるならレースに出るか」と勧められたことが第一歩となった。

 一つのことにのめり込むタイプで、それまでは魚釣りが趣味だったが、自転車は「遠い所に行って帰ってくる達成感がある」と没頭した。間もなく父親より速く走れるようになり、翌年一月の初レースでいきなり優勝を飾った。

 平日は自宅で室内用機器を使い、三十キロほどペダルを踏む。休日は隣接する笠間市の愛宕山に出掛け、多い時は二百キロ走り込む。

 結果が出ない時期もあったが、ツール・ド・フランスの映像を見て「ここに出たい」「総合優勝を取る」と自らを奮い立たせながら練習に励むと、今年一月、特例で高校生の部に出場した行田クリテリウム(埼玉県)で大差で優勝を飾るなど、結果が出始めた。

 三月にはフランスに遠征して三つの大会に出場。「ミニム」と呼ばれる十三、十四歳の部で優勝一回を含む好成績を残し、レースを見ていた地元チームから「うちに来ないか」と声をかけられた。フランスでは毎週のように自転車の大会が開かれる。「日本にいるままでは世界と戦えない」と渡仏を意識するようになり、本格的にフランス語も学び始めた。

 全日本選手権は、U15ではトップでゴールを切ったが、U17を含む全体では四位。「先行逃げ切りという自分のスタイルが出せなかった」と悔やむ。次戦の十日のツール・ド・北海道では「最初から逃げて圧倒したい」と気合が入る。

 地元の逸材を支援すべく、町も動きだしている。町公式のツイッターやフェイスブック、広報紙などで篠原さんの活躍を紹介してファンを増やし、ウエアの背中に町のロゴマークを付けて文字どおり町を背負って戦ってもらう計画だ。

<ツール・ド・フランス> フランスと周辺国を舞台に行われる自転車ロードレース。コースは全長3000キロ以上、全21ステージで構成される。チームで参戦し、それぞれのエースを勝たせるためのレースが展開される。総合成績1位の選手に黄色のジャージー「マイヨ・ジョーヌ」が与えられる。日本からは新城(あらしろ)幸也選手(バーレーン・メリダ)が継続して出場しており、完走も果たしている。

 

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