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【茨城】

鬼怒川決壊あす2年 常総・根新田町内会の取り組み注目

自宅ベランダのライブカメラを前に、当時の様子を語る須賀さん

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 関連死六人を含む九人が死亡し、五千棟以上が全半壊した鬼怒川決壊から、十日で二年。大きな被害を出した常総市で当時、携帯電話などに一斉メール送信で独自に避難を呼び掛け、逃げ遅れを減らした町内会が、注目を集めている。国内各地から問い合わせがあり、町内会役員は「使える場面は多い。取り組みを広めるべきだ」と話している。 (宮本隆康)

 住民の逃げ遅れを減らすことに成功したのは、約百世帯が暮らす根新田町内会だ。

 もともと行事などの連絡などのため、二〇一四年十月、事前登録した携帯電話やスマートフォンに、ショートメールで一斉送信するシステムを導入していた。電話より手間がかからないメリットがあり、都内の送信業者が一通十五円で提供している。

 水害当日、須賀英雄事務局長(66)は、決壊前の午前六時すぎから、水位の上昇を知らせるメールを送信した。午後一時前の決壊後は、鈴木孝八郎会長(75)と文面を相談しながら「浸水が想定されます」「浸水が始まりました。動けない人は二階へ」などと送信して呼び掛けた。

 道路の冠水で、公用車による防災無線放送はできず、地域に設置された防災無線は、聞こえなかった住民もいたという。町内の九割が浸水被害を受けていたが、メールを矢継ぎ早に送ったこともあり、他の地区に比べ、逃げ遅れる人は少なかったという。

水害当時に根新田町内会から送信されたメール=いずれも常総市で

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 住民の避難後も、須賀さんと鈴木さんは自宅二階に残った。浸水の高さや、水が引き始めて通れるようになった道路など、町内の様子を知らせ続けた。炊き出しや物資配布の連絡にも使った。送信回数は二週間で五十通に上った。

 水害後は、安否確認にも使えるように、システムに返信機能を追加した。さらに須賀さんは自宅二階ベランダに、「浸水の予兆が分かるように」と、鬼怒川とつながる千代田堀川に向けてライブカメラを設置。今年一月から、映像を町内会のホームページで見られるようにした。

 鈴木さんは、市内の町内会役員の会合などで「絶対に役立つ」と一斉送信システムの導入を呼び掛けている。二つの町内会が導入を考えているという。

 須賀さんは「非常時に電話の連絡網は回せないが、メールなら、避難などの情報提供や安否確認が簡単にできる。使える場面は多いのでは」と話している。

 

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