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【茨城】

捜査13年 初動ミス指摘も 女子大生殺害 容疑の男逮捕10日

女子学生の遺体が見つかった清明川河口付近=2004年1月、美浦村で

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 茨城大農学部二年の女子学生=当時(21)=が二〇〇四年一月に殺害された事件で、県警が殺人と強姦(ごうかん)致死容疑でフィリピン国籍のランパノ・ジェリコ・モリ容疑者(35)=岐阜県瑞穂市=を逮捕してから、十二日で十日になった。容疑者は当時、遺体発見現場近くの会社に勤めており、十三年余りに及んだ捜査は関係者からも「初動にミスがあった」との声が漏れる。

◆近くに容疑者

 女子学生は〇四年一月三十一日午前零時ごろ、阿見町の自宅アパートから外出したとみられ、自宅には寝ていた友人に宛てた「散歩に行く」とのメモが残されていた。遺体はその日の午前、美浦村の清明川河口で発見。県警は交友関係を中心に調べたが、捜査は難航した。

 ランパノ容疑者は当時、土浦市に住み、美浦村の電器部品加工会社に勤務。この会社は従業員の半分が外国人で、容疑者の母と妹も働いていた。

 元上司は「おとなしかった」と評価する一方、別の元上司は「日本語ができなかったので、あまり採用したくなかったが、母親に頼まれ、人手不足もあり採った」と明かした。

 会社は業績悪化で一一年二月に破産。ランパノ容疑者はそれより前に辞め、約七年前には岐阜県瑞穂市のアパートに引っ越し、近くの工場で働いていたとみられる。

◆不審者情報も

 県警は捜査員延べ三万三千九百十人を投入。一一年には未解決事件の専従捜査班を設けて捜査を続け、数年前の情報提供で浮上したのが、ランパノ容疑者だった。捜査に関わった県警関係者は初動ミスを認め「外国人なんて話は、全然なかった」と振り返る。

 遺体発見現場や、なくなっていた女子学生の自転車が見つかった土浦市の空き地付近では、不審な車と複数の男の目撃情報があったが、特定の知人の捜査に人員が割かれ、別の可能性に目が向けられなかったという。「若い女性が夜中に一人で出掛けるはずがない、と決め付けてしまった」と、この関係者は悔やむ。

◆今もショック

 捜査関係者によると、ランパノ容疑者は「仲間と遊んでいるときに見掛けて、犯行に及んだ」という趣旨の供述をしている。共犯として国際手配された三十三歳と三十一歳の男は〇七年に出国し、身柄確保の見通しは立たない。

 女子学生が当時、親しくしていた友人の家族は「(女子学生に)二回くらい会ったが、素直な感じのいい子だった」と語る。友人は事件で強いショックを受け、今も立ち直れていないという。

 

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