東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

岩手・陸前高田に津波の避難シェルター設置 ひたちなかの精密機械社長

緊急避難用シェルターの内部を見学する子どもらに説明する中山政信さん(奥中央)=8月、岩手県陸前高田市で

写真

 ひたちなか市の精密機械工業会社社長中山政信さん(63)が開発した津波の緊急避難用シェルターが、東日本大震災で被害に遭った岩手県陸前高田市に設置されている。震災から六年半。津波でいとこを失った中山さんは「一人でも多くの命を救いたい」と願う。

 中山さんは岩手県大槌町出身。故郷に住むいとこの男性は消防団員で、高齢者らを助けに向かい津波にのまれた。「逃げろと言われても、立場上避難できない人もいるはずだ」。津波が目前に迫っていても駆け込める「最後のとりで」の開発を思い立った。

 知り合いの企業にも協力してもらい、今年三月、試作機を完成させた。津波被災者の意見を聞いて改良するため、五十一人もの消防団員が犠牲となった陸前高田市で、海沿いにある土産物店の駐車場に設置した。

 倉庫のような高さ約二・四メートルの白い建造物。重さ約十トンのステンレス製で、ボディーには飛行機の羽にも使われるほど強度が高い、蜂の巣のように正六角形を並べた「ハニカム構造」を採用した。ステンレスで高強度パネルを作る中山さんの会社の技術を生かし、震災と同規模の津波にも耐えられる設計だ。

 内部には十人分の椅子とシートベルトを用意。扉で密閉しても、内蔵の空気ボンベにより数時間は中で過ごせる。水に浮き、流されても衛星利用測位システム(GPS)で場所が分かる。

 試作機は津波を想定して造られたが、要望に合わせて土砂災害や洪水に対応できるものも作製する予定。今後は消防団員らに意見を求め、正式な運用開始に向けて準備を進める。

 目標は、組立工場を被災地に建てることで産業を生み出し、災害の恐れがある全国各地にシェルターを設置すること。中山さんは「いとこのような犠牲を二度と出さないためにも、全国に普及させたい」と力を込めた。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報



ピックアップ
Recommended by