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【茨城】

小澤征爾さんの「第九」水戸で響け 平和への祈りを込めて

水戸芸術館で指揮をする小澤征爾さん(同館提供、大窪道治さん撮影)

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 世界的な指揮者、小澤征爾さんが総監督を務める水戸室内管弦楽団(MCO)が13、15の両日、ベートーベンの「交響曲第九番」を水戸市内で初披露する。小澤さんは体力的な問題で、一部楽章の指揮だけを執る。それでも「第九」を熱望したという。演奏者の1人は「第九は平和を祈る曲で、小澤さんの音楽を通じ、メッセージを伝えたい」と力を込める。 (山下葉月)

 十二日、会場の水戸市の水戸芸術館では、市民を招いたリハーサルがあり、小澤さんも、指揮を執る姿を見せた。

 MCOは芸術館の専属楽団で、一九九〇年に誕生。小澤さんは、初代館長でクラシック音楽評論家の故・吉田秀和さんの依頼で関わり、以来、館で年約三回の定期演奏を続け、今回百回目の節目を迎えた。

 MCOが、第九に挑むのは結成以来初めて。館の音楽部門の中村晃芸術監督によると、小澤さんは近年、ベートーベンを研究しており「第九は別格で特別だ」と節目に選んだ。

 楽団員は常駐せず、演奏会のためだけに世界中から集結する。日本人のほか、フランス人やチェコ人ら世界を舞台に活躍する演奏家約三十人で構成する。

 小澤さんが指揮するのは、曲の後半の第三と第四楽章。演奏時間が約一時間で、第四楽章では合唱もあり、膨大なエネルギーと精神力を使うからだという。

 楽団員代表を務めるホルン奏者で、桐朋学園大学の教授、猶井(なおい)正幸さん(66)は「小澤さんが全楽章で指揮を執れなかったのは無念だったと思う。でも、それを僕らがカバーしないといけない」と話す。小澤さんと出会って約三十年。「一心同体で、積み重ねてきた信頼関係がある。呼吸を感じ、どんな動きでもキャッチできるメンバーがそろっている」と胸を張る。

 猶井さんは、北朝鮮問題などを挙げ「第九は平和を祈る曲で、ベートーベンからのメッセージ。それを、小澤さんのつくる音楽を通じて、感じとってもらえれば」と期待する。

 演奏会のチケットは両日とも完売。館では、小澤さんが全楽章で指揮を執って録音したCDの発売を準備、広く聞いてもらう機会を提供するという。

 

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