東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

筑西出身・板谷波山の作品44点を市に寄贈 時価3億円超、収集家遺族

寄贈された作品を説明する荒川教授(右)と孫の駿一さん。手前が彩磁金魚文花瓶=筑西市で

写真

 筑西市出身で、近代陶芸を確立した板谷波山(一八七二〜一九六三年)の作品が、収集家の遺族から市に寄贈された。初期から晩年まで四十四点あり、時価三億円を超えるとみられる貴重な波山芸術の数々。市は今後、一般公開も計画している。 (原田拓哉)

 寄贈されたのは、花瓶や皿、茶わんなど陶芸三十二点をはじめ、掛け軸、デッサンなど。土浦市の神林正雄さん、節子さん夫妻が四十年にわたって集めた。亡くなった夫妻の長女、渡辺政代さん(59)が「作品は一時の預かり物。故郷の筑西市にお返ししたい」と寄贈を申し出た。

 「神林コレクション」は波山没後記念の展覧会に出品されたほか、写真集、図録に紹介されるなど代表作も数多い。寄贈された作品では、植物模様や曲線が特徴的な西洋のアールヌーボーの図柄を取り入れた草創期の「彩磁金魚文花瓶」、絶作となった「椿・茶碗図」など、波山芸術の変遷も興味深い。

 自身が納得できない作品は途中に打ち砕き、生涯の作品数は千点程度と寡作だった波山。市の所蔵品は、「しもだて美術館」などの作品と合わせて六十点になり、全国有数のコレクションになった。

 波山研究の第一人者として知られる学習院大学の荒川正明教授は「今回、寄贈された作品は、時価で三億四千万円程度と推測される。奇跡のような話で、筑西のコレクションが全国レベルになったことを示す」と歓迎する。

 波山の孫で、波山先生記念会の理事長を務める板谷駿一さん(76)は「絶作となった作品は、横で見ながら、一緒に手伝った思い出深い作品でもある」と懐かしんだ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報