東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 11月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

<ひと物語>県北の魅力を発信 古民家レストラン「高萩茶寮」の店舗責任者・若林強さん(36)

写真

 高萩市に江戸時代中期、地元の豪農が建てた「穂積家住宅」がある。県指定有形文化財で、築二百年以上のかやぶき古民家だ。その主屋で営業している秋季限定レストラン「高萩茶寮」の店舗責任者を務める。レストランを「高萩市をはじめ、県北の魅力の発信基地にしたい」と意気込む。

 板張りと畳敷きの座敷は、緑と石灯籠が織りなす日本庭園を望む落ち着いた雰囲気。東京・銀座にある日本料理の名店「六雁(むつかり)」の秋山能久総料理長(水戸市出身)が監修した地産食材の料理を提供する。

 おすすめは、県北特産の「花園牛サーロインステーキ定食」(三千円)。「サシのきめが細かく、脂の甘みも強い」。一日限定二十食の看板メニューだ。

 東京都江東区の生まれ。「都会というより、下町育ちの江戸っ子です」。少年時代は、手づくりの弁当店を営む母親の姿を見て育ったという。

 大学時代は、寿司(すし)店でアルバイト。二年以上が過ぎたころ、板前の許しが出て初めてカウンター内に入り、刺し身を切る作業などの手伝いをするようになった。

 やがて毎週、自分の前に座り、注文をしてくれるお客がいることに気づいた。「人に必要とされ、喜ばれる」ことの充実感を知ったことが、飲食店の仕事を続ける原動力になっている。

 寿司店の実務経験で調理師免許も取得し、大手の外食企業に就職。店長やマネジャーを務め、転職後は、新店舗開店のコンサルティングなどを手掛けてきた。

 穂積家住宅の古民家レストランは、東日本大震災からの復興を目指す市などが二〇一一年に始めた。本年度、市からレストラン運営の委託を受けた企業のメンバーとして、食を通じた地域活性化に携わることになった。

 牛肉の下ごしらえや、タレの妙味。秋山総料理長の考案したレシピを「ベストな形で、実際の料理に仕上げる」のが現場の仕事。約二十人いる地元雇用のスタッフの接客も、店の魅力を高める重要なポイントだ。

 県のイメージについて「魅力度最下位と言われるけれど、そんなことは感じない。地元を含め、みんなが(魅力に)気づいていないだけ」と分析する。

 地元を知る中で、良いと感じた物事は「これっていいよね」と、どんどん口に出し、周囲に投げかけるようにしているという。「穂積家住宅が『すてきだね』『かっこいい』と言ってもらえるようにする」ことも、店の運営を通じた目標の一つ。 (酒井健)

<わかばやし・つとむ> 1980年生まれ。大学の経済学部を卒業後、飲食店の運営や経営コンサルティングに携わる。メロンやナシなど県特産品のPRイベントも手掛けている企画会社「ラテラル」(東京都港区)の取締役。東京都豊島区在住。高萩茶寮の営業は12月3日までの午前11時から午後4時。問い合わせは店=電0293(22)3919=へ。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報