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【茨城】

ハンセン病元患者「普通の病気と変わらぬ」 県庁で知事と懇談

大井川知事(左)と握手を交わす藤田三四郎さん=県庁で

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 国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉園」(群馬県草津町)の茨城県人会会長・藤田三四郎さん(91)ら、園で暮らす県出身の元患者四人が十五日、水戸市の県庁を訪れ、大井川和彦知事と懇談した。藤田さんは「ハンセン病はいまだに恐ろしい病気と思っている人がいるが、普通の病気と変わらない」と、偏見や差別がなくなることを願った。

 藤田さんは一九四五年に、十九歳で楽泉園に入園。詩集など多数の著書もある。懇談で「私が(園に)入った当時は、患者が千三百五十人。職員は百三十五人しかいなかった。症状の軽い患者が園の運営をしていた」などと振り返った。

 大井川知事は「偏見、差別の中、大変ご苦労されてきたと思う。偏見がなくなり理解が進むよう、県としてもやれることを精いっぱいやりたい」と述べた。

 懇談後、藤田さんは、理解を進めるため「小学生の読本に、ハンセン病の歴史をきちんと書いてもらう運動を展開していかないといけない」と語った。また「栄養、衛生状態が悪化すると、保菌者が発症する可能性がある。だから戦争は絶対反対」と訴えた。

 四人の来県は、ハンセン病の啓発活動を担う県藤楓(とうふう)協会(会長・大井川知事)が毎年実施している郷土訪問事業で、今回は七十七〜九十一歳の男女が参加。十四、十五日の二日間で、茨城町のポケットファームどきどき、大洗町の大洗磯前神社などを訪れた。知事との懇談は十八年ぶりに設定された。 (鈴木学)

<ハンセン病> らい菌による感染症。皮膚や末梢(まっしょう)神経などが侵され、変形が生じたり、感覚がまひしたりする。特効薬によって確実に治癒するようになった。1996年のらい予防法廃止で強制隔離はなくなったが、差別、偏見などの理由で社会復帰を果たせず、療養所生活を送る人が多い。県によると、療養所は全国に14カ所あり、5月現在の入所者数は1473人。県出身者は13日現在、4カ所に18人おり、平均年齢82.5歳。

 

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