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【茨城】

天皇陛下退位 日程が閣議決定 行幸啓11回 人柄温かく

機織りに向かう野村明美さん(右)と寛司さんの夫婦=結城市で

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 天皇陛下の退位の日程が二〇一九年四月三十日と閣議決定された。県のまとめによると、天皇、皇后両陛下の本県への行幸啓は十一回。各国の国王らとの視察や、災害の被災地を見舞うために訪問された。高齢になっても公務に励み、国民に寄り添う両陛下。その人柄に触れた県民からは、感謝やいたわりの言葉が相次いだ。

 「やさしい表情で、穏やかな語り口でした」「接することができて、本当に名誉なことだと思います」

 結城市内で伝統工芸の結城紬(ゆうきつむぎ)の機屋「野村紬織物」を営む野村寛司さん(62)、明美さん(57)夫婦は、天皇、皇后両陛下とのやりとりを、今も心に刻む。

 天皇、皇后両陛下は昨年十月、ベルギーのフィリップ国王夫妻を案内するため市内を訪れ、結城紬の機織りなどを視察した。市はベルギー北部のメッヘレン市と国際親善姉妹都市を結ぶ。メッヘレン市も織物が盛んという縁があった。

 明美さんが機織りを実演し、寛司さんは羽織はかま姿で、歴史などを説明した。寛司さんは天皇陛下から「全部織るのにどのくらい」、明美さんは皇后さまから「何をしているのですか」と尋ねられたという。

 退位に、寛司さんと明美さんは「各地の災害の被災地にお見舞いに出掛けられ、頭が下がる思いでいっぱいでした。これからは、ご自分たちの時間をゆっくり過ごしていただければ」と願った。 

  (原田拓哉)

◆「食べていただき感謝」北茨城・市役所食堂の前田店長

 両陛下は東日本大震災後に、津波の被害を受けた北茨城市にも訪れた。

 大津漁港で海に黙礼し、市民体育館で避難者を励ました両陛下に、マコガレイやシャモ、レンコンなど地元食材を使った昼食のお弁当を提供したのは、市役所食堂の前田賢一店長(42)だ。

 原発事故による被害にも見舞われたが、安全に配慮した地元食材を調理した。「両陛下に食べていただいたことにとても感謝しました。普通は宮内庁から食事を持って来られるそうですが、『地元のために』というお心遣いだと思っています」と振り返る。

 皇后さまが視察に向かう際、料理を作ったことを伝えると、「おいしゅうございました。大変だったでしょう、品物そろえるのは」と言葉を掛けられたという。「『お父様のお体は大丈夫ですか』と父のことまで気遣っていただき、心から仰(おっしゃ)られているという気持ちが伝わってきました」と明かす。

 両陛下の訪問によって「頑張れたところもあるのかな」としみじみ。退位の報に触れ「長く公務を続けられてきましたし、世代交代はいいことではないでしょうか。ゆっくりしていただきたい」と話す。(鈴木学)

 

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