東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 12月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

航空機の安全上のトラブル 整備士原因 3年連続更新

稲敷市で見つかり、全日空機のパネルと特定された部品=成田空港で

写真

 稲敷市などで航空機の部品落下が相次ぐ中、航空整備士が原因となる安全上のトラブル件数が三年連続で過去最高を更新していたことが、国土交通省の統計で分かった。国交省は、機体整備の強化などを航空会社に促す検討を始めた。県内では、成田空港開港からこれまでに二十件の落下物を確認、大惨事につながりかねないだけに、対策が急務となる。 (川上義則、山下葉月)

 国交省が航空事故、事故には至らない重大インシデント、安全上のトラブルをまとめた統計によると、トラブル件数の合計は二〇〇八年度以降、八百五十〜九百九十一件と、ほぼ横ばいで推移している。内訳を原因別でみると、整備士が原因の件数が近年急増し、一一年度の十七件から一六年度は百十九件と七倍に。一四年度から一六年度まで三年連続で過去最高を更新した。

 一方、国交省によると、〇九年四月〜一七年三月に国内の航空会社から報告を受けた部品脱落の件数は四百五十一件。ライトやパネル、アンテナなどが飛行中に外れたとみられる。整備士は飛行前後に機体の一部分を点検したり、数カ月に一度、機体全体を整備したりして安全運航を支えており、整備・点検を確実に実施すれば、脱落を防げる場合が多いという。

 国交省は、航空機メーカーや学識者らでつくる落下物防止に関する対策会議を開催。機体からの落下物を未然に防ぐため、航空会社に整備強化を促す基準づくりを来年三月までにまとめる。

 ただ、元日本航空機長で航空評論家の杉江弘さんによると、整備士が整備・点検に集中できる環境が危機にさらされているという。

 「格安航空会社(LCC)の拡大で世界の航空機は増えたが、整備士の人数は間に合っていない。航空料金を下げるため、整備士の処遇にもしわ寄せが及んでいる」と指摘。「落下物防止のための整備強化には、整備士の待遇改善が欠かせない」と説明した。

◆県内での落下20件 稲敷11件、河内が7件 78年の成田開港以来

 国交省によると、一九七八年の成田空港開港から十一月七日現在で、部品や氷塊などの落下物は、全国で百五十九件確認されている。このうち県内に落下したのは二十件となっている。

 落下場所は、稲敷市内が十一件と最多。次いで河内町が七件となっており、二市町の被害が多い。ほかに、日立市と古河市で一件ずつあった。落下物の内訳は、氷塊十件、部品十件。部品は、航空機の翼の先端についているレンズやエンジンの破片、パネルなどさまざまだ。

 稲敷市の鋼材会社敷地で九月二十七日に見つかった全日空機のパネルは重さ約三キロ、台形状で長い辺が六十センチ、高さ百四十七センチの強化プラスチック製。七日に中国のアモイから成田に到着したボーイング767−300ER型機から脱落したと確認された。

 滑り台型の脱出シューターをカバーしているパネルで、非常時にロックを外すための高圧ガスが漏れ出して、誤作動したのが原因とされている。

<最近国内で発生した航空機の落下物> 9月7、8日の2回にわたり、成田空港を発着した全日空の同じ旅客機から、脱出用シューターを収納する部分のパネルが相次いで落下した。9月23日には関西空港を離陸したKLMオランダ航空機からパネルが脱落し、走行中の乗用車に衝突した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報