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【茨城】

初場所で初の十両 大洗出身・天空海関 キラキラしこ名 高みへ

十両の場所に掲げられた自分の札を指さす天空海関=つくばみらい市で

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 横綱稀勢の里、大関高安に続く第3の関取が県内に誕生した。14日から始まる大相撲初場所で初めて十両を務める大洗町出身の天空海(あくあ)関(27)=本名・高畠祐貴=だ。難読のしこ名は「キラキラネーム」と話題にされることもあるが、高みへ上っていきたいとの願いが込められ、本人も「すごく気に入っている」という。今年の目標は幕内昇進。名前に負けず、土俵で輝くために日々、稽古を積んでいる。 (越田普之)

 県立那珂湊一高(現・那珂湊高)出身。柔道部に在籍し、恵まれた体格を生かし、全国大会へ出場するなど活躍した。大学で柔道を続ける道もあったが、自動車整備士にあこがれ、水戸市内の専門学校へ進んだ。

 「相撲には全く興味がなかった」が二〇一〇年、父親の知人の紹介で立浪部屋(つくばみらい市)を見学して人生が変わった。事前の勉強として、動画サイトで先代の九重親方(元横綱・千代の富士)の取組を見たところ「ものすごく格好良かった」。見学で振る舞われたちゃんこにも感動し、入門を即決した。

 最初のしこ名は、「豊乃浪」。立浪親方(元小結・旭豊)が、四つほど出してくれた中から選んだ。地元にあるアクアワールド県大洗水族館にちなんだ「阿久亜(あくあ)」という一風変わった案も気になったが、「親方の一字が入っている方が有望だと思って」と、選択肢から外した。

 だが、幕下下位で停滞。「何かを変えたい」と思った時、ふと阿久亜のしこ名を思い出した。親方に改名を申し出たところ「『ほれみろ』とうれしそうに言われた」と振り返る。

 読み方は親方の提案通りにして、漢字は家族や知人と相談。出世を願い「天」を頭の一文字に選び、大洗を連想させる「空」と「海」を取り入れた。「変わった名前は出世しない」との声も聞こえたが、見返してやろうと闘志に変えた。

 天空海に改名して迎えた一四年春場所。「緊張して思うように力を出せなかった」と負け越し。次の場所で吹っ切れたように六勝一敗と勝ち越すと、着実に番付を上げて行った。投げ技に頼る強引な取り口も、突き押し主体へと変わっていった。

 あと一歩で十両というところまで来て、再び壁にぶち当たった。宇良関との大事な一番で星を落とした時には、「この世の終わりだと思った」というほど落ち込んだ。

 もがく中、一七年の春巡業で貴乃花親方の付き人になったのが転機となった。貴乃花親方からは「まわしを取らずに前へ出ろ」と繰り返し諭されたという。この言葉で迷いがなくなり、押し相撲に磨きをかけて悲願の十両をたぐり寄せた。

 同級生には遠藤関らがおり、幕内での対戦も望む。そこまで上がるころには、「キラキラしこ名」も全国にとどろいているはずだ。「スマホで、自分のしこ名が一発変換されるようになりたい」と、飛躍への思いをにじませた。

 

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