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【茨城】

<ひと物語>母子家庭 子育て支援 NPO法人「Future Support」理事長・鈴木直子さん

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 「シングルマザーが困ったとき、助けてと言えるような、つながりをつくりたい。気にかけてくれる人がいるだけでも、頑張る気持ちになれる」

 自身も六人の子どもを持つシングルマザー。つくば市内のNPO法人「Future Support(フューチャー・サポート)」の理事長として、母子家庭の子育てを支援している。

 三十七歳の時、六人目の出産を前にして、妊娠八カ月で離婚した。夫と一緒に自営業をしていたため、職も失った。

 「まず困ったのはお金の問題。『どうしよう』と産後うつになる暇もない状態だった」と振り返る。子どもは、中学生と小学生が一人ずつと、幼児三人。出産の一週間後に退院し「自分が何とかしなきゃ、子どもたちを食べさせていけない」と吹っ切れた。

 ネットで求人情報を探したが、会社勤めで十分な収入を得るのは困難。「自営業は安定しないが、働いた分だけ稼げる。時間が自由で子育てもできる」と出産から三カ月後、夫と働いた経験を生かしてIT関連の自営業を始めた。

 無職のシングルマザーには、賃貸住宅を借りたり、起業資金を借りることは難しかった。両親に負担をかけたくなかったが、父親から資金を借りた。付き添ってくれた母親は、精神的なよりどころだった。ママ友や、不動産会社の担当者らも親身になってくれた。

 仕事が軌道に乗ると「自分がしてもらったことを誰かに返さなければ」と思うようになった。子どもの貧困問題のニュースが増え、身近でも生活困窮世帯の話を聞いた。二〇一六年十一月、NPOを立ち上げ、ママ友らと活動を始めた。

 月一回、子ども食堂を開店し続けている。ひとり親世帯の子どもが夜に一人で過ごさず済むように、昨年からマンションを借り、放課後の居場所「トリアル」を開設した。週一回、小中学生向けの無料学習塾も開いている。

 トリアルでは、多い日で十人ほどの子どもたちが放課後を過ごす。「子どもから『ここに来て楽しい』と言われた時がうれしい。『本当の家族みたいだね』と言われたこともある」と目を細める。

 職員は三人、ボランティアは約二十人に増え、活動は広がっている。「現状は習い事や行きたい学校などを、子どもがあきらめている。やりたいことができ、将来の可能性を広げられるようなシステムをつくりたい」と考えている。 (宮本隆康)

<すずき・なおこ> 1975年、阿見町生まれ。結婚を機につくば市に移り、2016年11月に「Future Support」を設立した。「トリアル」の利用時間は平日午後3時から午後6時まで。無料学習塾は毎週木曜。問い合わせはメールアドレス=info@futuresupport.org=へ。

 

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