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【茨城】

水戸在住の映画監督・鈴木洋平さん 市内舞台の2新作 海外へ

ロッテルダム映画祭で上映される「YEAH」のシーン(サユリニシヤマ撮影)

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 デビュー作の映画「丸」(二〇一四年)が複数の映画祭で注目を集めた水戸市在住の映画監督鈴木洋平さん(33)の新作の二本が、オランダ・ロッテルダム映画祭(二十四日〜二月四日)に出品される。二本とも水戸市が舞台。ロッテルダムは二年前にも訪れた思い出の地でもあり、鈴木さんは「観客の反応が日本とは違うので楽しいし、刺激になる」と上映を心待ちにしている。(鈴木学)

 「丸」は謎の球体が引き起こす奇妙な現象を、独特の感性で描き、国内最大の自主映画コンペのPFFアワードで入選。北野武監督を欧州に紹介したことで知られる英映画評論家トニー・レインズさんが紹介したことで、複数の海外映画祭で上映され、注目された。

 今回、出品される二本は、アーティストの肖像をモチーフにした「After the Exhibition」と、団地内をさまよう女性に、不安を抱え行く先を見失った人間の姿を描いたという「YEAH」。水戸市を拠点に活動するアーティストのクオリアさん(36)と、女優の柳英里紗さんをそれぞれの主演に据え、市内で撮影した。

 「丸」が二年前のロッテルダム映画祭に出品されたことで縁ができ、映画祭側から直接、打診が来たという。気鋭の監督たちの作品を集めたブライト・フューチャー部門で上映される。「新しい才能を発掘し、とがった作品を上映する好きな映画祭の一つ。うれしかった半面、一本は完成していなかったので焦りました」

 二十五日から一週間、現地に滞在。二回の上映、観客との質疑応答もある。作品の紹介文には「無表情コメディー」とあるそうで、「同じような言い方をされた前回は、日本では起きなかった笑いが起きた。今回もそうなると思う」と手応えを感じている様子だ。

 海外の映画祭で痛感したのが、国内外の映画への出資の差だ。今回の二作品とも製作費は百万円以下。自分の持ち出しと地元実業家の寄付で賄った。海外で映画祭に出品される映画は一千万円以上ではないかという。「海外で資本を募ることが製作の近道と思ってしまいますね」と嘆く。

 日立市出身で、映画好きだった父親の影響が強いという。最初に見た映画は「2001年宇宙の旅」。日立北高時代に初監督。多摩美術大映像演劇学科を卒業し、県に戻って映像関係の仕事をしている。

 身の回りで面白いと思うものを題材に、今後も映画製作をしていく予定。次作は、水戸市の木葉下(あぼっけ)町で見つけた洞窟に着想を得た作品を考えている。新作の二本は、なるべく早く水戸で上映したいという。

 

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