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【茨城】

高校生俳句大賞で複数入選 県立結城二高文芸部・大森一輝さん

句作歴1年足らずながら、輝かしい成績を残してきた大森さん=結城市で

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 県立結城二高(結城市)の文芸部員で三年の大森一輝さん(17)が、高校生を対象とした俳句コンクール「第二十回全国高校生俳句大賞」(神奈川大主催)で複数入選を果たした。大森さんは句作を始めて、わずか一年足らず。柔らかい発想力と豊かな表現力を発揮し、目覚ましい成績を残してきた。卒業後に東京の専門学校へ進んでも「俳句は続けたい」と創作意欲を燃やしている。 (越田普之)

 高校生俳句大賞は、本紙が昨年末まで毎日掲載してきた「平和の俳句」で選者だった金子兜太(とうた)さんや黛(まゆずみ)まどかさんらが選考委員を務めていて、三句一セットで審査される。

 昨年末の結果発表で、大森さんは「ボイジャーは 今どの辺り 星今宵(こよい)」など宇宙を題材とした三句と、「履歴書の 欄をはみ出し 晩夏光」など高校生らしさを感じさせる三句で、見事に複数入選を飾った。「評価されたのはうれしいけれど、実感はない」とはにかむ。

 大森さんが文芸部に入ったのは三年になってから。クラスメートで、生徒会でも一緒に活動していた猪瀬美夢(みゆ)さん(18)に誘われたのがきっかけだった。当時、文芸部は猪瀬さん一人。毎年、松山市で開かれている俳句甲子園に挑戦するには、部員を五人そろえる必要があった。

 勧誘を受けた大森さんは、文学好きでなかったこともあって「散々、断った」。しかし、部室の片付けを手伝った際、文芸部で俳句や短歌を指導する為我井節(ためがいみさお)さん(69)に昼食をごちそうしてもらい、断り切れなくなったのだという。

 「俳句甲子園要員」として入部し、仕方なく創作に向かったが、「五・七・五という制限がある中で、自分の言いたいことがぴったりはまると気持ちいい」。俳句の魅力に気付き「片足突っ込んだら、そのまま沈んだ感じ」と笑う。

 若者らしく、句作にはスマートフォンを使う。日常生活で気になったことや思い浮かんだことは、すぐスマホに記録。そのメモを参考に作品を仕上げ、為我井さんの指導を仰いだ。その為我井さんは「ここまで急成長すると思わなかった」と舌を巻く。

 文芸部での一年は濃密だった。猪瀬さんたちと一緒に俳句甲子園への切符を勝ち取って夢の舞台に立ったほか、常総市が設けている「長塚節文学賞」の高校生の部で入賞するなど、数々の輝かしい足跡を残した。

 「強引に入れられてしまった部活だったけれど、素晴らしい体験をさせてもらえた」。高校生俳句大賞の授賞式は、卒業式後の三月十日。四月からはプログラミングの専門学校に入る。かけがえのない青春の一ページを胸に、次のステージへ旅立つ。

 

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