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【茨城】

原発事故の除染土 原子力機構内で埋設

埋め立て処分の予定地となっている日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所の正門前=東海村で

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 東京電力福島第一原発事故の除染で発生した土(除染土)の処分を巡り、環境省が三十一日、埋め立て処分を東海村と栃木県那須町で今春から試験的に始めることを正式に発表した。村民からは「村外の除染土も受け入れることにならないか」「処分に向け一歩前進」など不安と評価の声が交錯した。 (山下葉月、酒井健)

 村や環境省によると、対象になるのは空間の放射線量が毎時〇・二三マイクロシーベルトを超えるエリアを除染するために取り除いた土で、村内では海沿いにある「豊岡なぎさの森」と「真崎古墳群」の二カ所で約二千五百立方メートルを保管している。

 これらを村内にある日本原子力研究開発機構の原子力科学研究所の敷地内に運び込み、埋め立てるという。現場では、環境省が作業員の被ばく線量のほか、周辺の大気や地下水の放射能の状況を調べ、安全性に問題がないかを確認する。秋ごろに分析結果をまとめ、ほかの自治体の汚染土をどうするかなどを決めるための参考にする。

 村の除染土を巡っては、人が近寄るような場所にも保管されているため、住民から「早く撤去してほしい」との声が出ていた。

 山田修村長は「公園などに置いてある除染廃棄物を移動できるので、とりあえずほっとしている。環境省によるモニタリングの結果を注視していきたい」と話した。村議会で除染土などの処分について質問してきた岡崎悟村議(公明)は「まず、放置されている現状がよくない。試験の実施は、処分に向けて一歩前進した」と評価する。

 早期の問題解決を訴えてきた石神地区の自治会長本田篤己さん(67)は「村での試験には少し抵抗もあるが、我慢も必要かもしれない」と複雑な心境を吐露。村内には、今回の対象の土壌の他にも除染で出た廃棄物が保管されており「ほかの廃棄物も早く取り除いてほしい」と話した。

 一方、原発を考える市民グループ「リリウムの会」メンバーの津幡美香さん(47)は「最終的に村外の除染土の処分まで、村で引き受けることになるのではないか。それが不安」と話す。

 その上で「『なぜ除染土が生まれたのか』を震災から七年がたつのを前に、もう一度、考えるべきだ」と指摘する。会ではこれまで、村内の除染土の状況をブログや環境イベントなどで取り上げ周知してきた。

 

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