東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

17年度の外国人労働者 過去最多3万1365人

大洗町の水産加工工場で働くインドネシア日系人クリスティンさん(奥右)一家の食事は、お祈りから始まる

写真

 茨城労働局(水戸市)は、二〇一七年度の県内の外国人の雇用状況をまとめた。外国人労働者数は計三万一千三百六十五人で、前年度比13・5%の増加。三年連続で10%以上の伸びを記録し、過去最多を更新した。県内の経済活動の担い手として、外国人の存在感がますます強まっている。 (酒井健)

 労働局によると、調査は一七年十月末現在で、本県の外国人労働者数は都道府県別で、前年度に続き九番目に多い。国籍別では、中国が七千六百七十六人で24・5%を占めて最多。続いてフィリピンが五千二百六十人(16・8%)、ブラジルが四千二百二人(13・4%)、ベトナムが三千八百六十八人(12・3%)となっている。

 外国人労働者のうち三分の一が、現場で働きながら仕事のノウハウを学ぶ技能実習生で占められる。実習生は一万一千三百五十八人で、前年度比14・4%の伸び。愛知、広島、大阪、東京に次ぐ全国五位だった。

 国籍別では中国が四千三百十九人(38・0%)で最も多く、ベトナムが二千八百八十二人(25・3%)、フィリピンが千三十七人(9・1%)の順になっている。

 実習生のうち48・4%が農林業、39・0%が製造業に従事。農業の現場を外国人が支えている県の特徴を裏付けた。

 労働局の担当者は「ベトナム人の実習生はほとんどが農業。また法改正により、野菜を総菜に加工するなどの製造業での受け入れも増えていると考えられる。雇用情勢の改善に伴い、外国人労働者の増加傾向は続いている」と分析した。

大洗町にある常設のインドネシア人教会。元は倉庫だった(上)。手作りで内装を一新、クリスマスを迎えた

写真

◆第二の故郷オオアライ インドネシア人、教会で絆

 日曜日の昼、港町、大洗町の一軒家。親子五人が食卓を囲み、祈り始めた。インドネシア語だ。母親のクリスティンさん(37)は二〇〇五年に同国から来日、この町の水産加工工場で夫と共に働いている。

 人口約一万七千人の町で外国人は八百人を超え、うち四百人余りがインドネシア人。水産加工、乾燥イモ、農業…いろいろな職場で人手不足の地場産業を支える。

 多くは同国スラウェシ島マナド周辺出身のキリスト教徒。主に戦前戦中に同地で暮らしていた日本人の血を引く日系人だ。

 クリスティンさんもその一人。沖縄・伊是名出身の漁師を祖父とする。

 冷たい風が吹くクリスマスの夜。町のカラオケホールに若者や家族連れが吸い込まれていく。階段を下るとホール。インドネシア人が前夜に続いて借り切って特設の教会にしていた。仕事を終えた人が次々と集い百人近くに。クリスティンさん一家の姿も。

写真

 町内にはインドネシア人教会が六つある。倉庫を自力で改装した教会が一軒、残りはホールなどを借りて絆を強める。第二の古里、「カンプン・マナド・オオアライ」(大洗マナド村)という言葉も聞かれる。

 「インドネシア人の夫と大洗で出会い、三人の子どもはここで生まれました」とクリスティンさん。子どもの病気や、夫の作業事故の苦難も「神さまのおかげで」乗り越えてきた。

 子どもは地元の小学校と幼稚園に通う。「ふだんは日本語を話し、インドネシア語は少し」

 教会の日曜学校では小中学生に聖書を教える。わが子を医師か教師にするのが夢だが、故郷の文化も大切にしてほしいと願っている。 (写真と文 ジャーナリスト・米元文秋)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報