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【茨城】

「中間的就労」の場を ひきこもりの人、ニートが社会参加へ

ビニールハウス内のコマツナを収穫する訓練生たち=鉾田市で

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◆NPOが15日 水戸でフォーラム

 自宅にひきこもっている人やニートたちが、新たに仕事を見つけるなどの社会参加の準備をする「中間的就労」の場の必要性を考えるフォーラムが十五日、水戸市のトモスみとで開かれる。官民が連携し、受け入れ職場の整備を進めている地域もあるが、県内ではまだ少ない。主催者は「中間的就労の意義を広く知ってもらい、根づかせていきたい」と訴える。 (酒井健)

 中間的就労とは、就職を目指すひきこもりの人たちが、精神的な負担が軽い環境で職場生活に慣れ、本格的な就職につなげる訓練の一つ。企業などの受け入れ先にトレーナーが付き添い、訓練生への助言や職場との仲立ちをする。

 厚生労働省は補助制度をつくり、中間的就労の拡大を後押しする。自治体が、厚労省から予算の三分の二の補助金を受け、NPO法人などに事業を委託するのが一般的だ。

 だが、実施している自治体の割合は、県内では筑西市と県(町村住民が対象)だけで全国最低の6%にとどまる。京都府や熊本県は全自治体で実施している。

 内閣府の推計では、全国のひきこもりの数は約五十四万人。県が民生委員らへのアンケートを通じて二〇一六年度に実施した調査では千四百六十七人だが、実態はもっと多いとみられる。中間的就労の制度が拡充すれば、利用者も増えるとみられる。

 フォーラムを主催するNPO法人コモンズ(水戸市)の横田能洋代表理事は「中間的就労の機会を増やし『就職活動か、引きこもるか』の当事者の悪循環を減らしたい」と話している。

 フォーラムでは厚労省担当者が基調講演。千葉市のNPO法人・ユニバーサル就労ネットワークちば、那珂市の社会福祉法人・ナザレ園の役員らによる実践報告がある。

 午後一時から。無料。問い合わせはコモンズ=電029(291)8990=へ。

◆受け入れ先の農家で収穫体験 訓練生「自信になる」

 NPO法人「コモンズ」が運営している就労支援機関「グッジョブセンターみと」(水戸市)では本年度、延べ約百二十人がトレーナー付きの就労訓練を受けた。訓練生はそれぞれの心身の状態に合わせ、一歩ずつ前進しようとしている。

 訓練生の受け入れ先の鉾田市の農家では五日、二十代の男性三人が、コマツナの収穫に取り組んだ。ビニールハウス内のコマツナを一株ずつ専用のハサミで刈り、段ボール箱に入れる。昼すぎまで四時間。手際は良く、トレーナーも自分の作業に集中している。

 大学受験の浪人中に精神の調子を崩した日立市の訓練生(20)は「自信になる。最近、アルバイトの面接も受け始めた」と感想。「将来は、お世話になった社会福祉分野の仕事に就きたい」と目標を語った。コンビニ店での一カ月間のアルバイトが唯一の職業経験という水戸市の訓練生(21)は「実家の農作業を手伝ったことがあり、楽しい。人が相手の仕事より、自分に合っていると思う」と話した。

 グッジョブセンターみとは企業の寄付金で運営。農業の他、いばらきコープでの印刷業務手伝いの仕事などがある。千葉市など三市から事業を委託されているNPO法人「ユニバーサル就労ネットワークちば」は、介護補助や倉庫作業が中心。同法人の職員は「長いブランクがある人が急に就職活動をしても、ハードルは高い。当事者が社会に出たいと思った時の選択肢として、中間的就労の場は重要」と話している。

 

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