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【茨城】

圏央道 県内区間全線開通から1年 企業立地、観光振興に効果

圏央道で建設されているつくばスマートICの予定地付近=つくば市で

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 圏央道の境古河インターチェンジ(IC)−つくば中央ICが供用され、県内区間の全線が開通してから一年が過ぎた。神奈川県や埼玉県との結び付きが強くなったことで、企業立地や観光振興にも好影響が出つつある。ただ、渋滞の発生など課題も抱えている。 (鈴木学、宮本隆康)

■全国1位

 「企業からの圏央道沿線の土地の引き合いの強さは、県内トップクラス。今は人手不足だが、近くに、人口が増えているつくばエクスプレス沿線があるので、従業員を確保しやすいと見込む企業もある」

 常陽銀行の企業誘致担当者は、圏央道沿線の好調ぶりをそう説明する。

 県によると、県内の工場立地面積は二〇一三〜一六年、全国一位になったという。生活用品メーカー「アイリスオーヤマ」(仙台市)は阿見町に工場を建設した。立地について担当者は「圏央道の開通が大きい」と説明。境古河IC近くではトラックとバスの国内最大手のメーカー「日野自動車」(東京都)の工場が稼働を始めている。

 常総ICから車で十分の「しもつま鯨工業団地」(下妻市)は一〜五・三ヘクタールの八区画を分譲中で、市職員は「引き合いは多いとは思う」と好感触だという。

 沿線の五霞町は昨年度の基準地価で工業地の地価が上昇し、全国一位の18%の上昇率となった。とはいえ、企業側にとって都心から近いわりに比較的、用地が安いことが魅力のようだ。

 圏央道は、観光にも効果が出てきている。昨年の筑波山梅まつりについて、つくば市職員は「以前は見かけなかった湘南ナンバー(神奈川県)や、少なかった春日部ナンバー(埼玉県)の車が、見たことがないほど多かった」と振り返る。

■4車線化

 ただ、便利になった分、課題も見えてきた。物流会社の従業員は「昼や夕方に渋滞しているので、圏央道のメリットが薄れてしまう」と吐露する。

 国土交通省などの交通量調査(昨年四〜十月)で、牛久阿見IC−阿見東IC間は一日平均二万一千四百台で前年比36%増、稲敷IC−稲敷東IC間も同32%増と大幅に増加した。

 渋滞が発生するのは、開通を急いだため暫定二車線で開通したことも原因で、県はスムーズな通行に四車線化は欠かせないとして国に要望を続けてきた。

 国交省は昨年十二月、県内を含む区間の四車線化の要求が、新年度予算の大臣折衝で認められたと発表した。二二年度から順次供用され、二四年度に完成の見込み。最大限のメリットが出てくるのは四車線化の後になりそうだ。

 懸念材料はまだある。観光などで他県の沿線地域と競合し、茨城県内は通過されるだけになるという恐れがある。栃木県方面から成田空港(千葉県)へのアクセスが良くなり「茨城空港の利用が減るのでは」との見方も。

 県空港対策課の冨山勝彦課長補佐は「スマートインターやアクセス道路の整備で、茨城空港はこれからさらに使いやすくなる。駐車場は無料、コンパクトなつくりで分かりやすいなどの特徴もアピールしていきたい」と話している。

<圏央道(首都圏中央連絡自動車道)> 都心から半径約40〜60キロに位置する環状高速道路。五都県にまたがり、横浜市、東京都八王子市、埼玉県川越市、茨城県つくば市、千葉県木更津市などを結ぶ約300キロ。茨城区間は五霞ICから神崎ICで昨年二月二十六日に全通。神奈川と千葉の一部区間は完成していない。

 

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