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【茨城】

「おいしい牛乳届けたい」 水戸で酪農スタート 矢沢さん

酪農を始めた矢沢さん。笑みも見せながら乳牛の世話に励む=水戸市で

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 水戸市の矢沢一郎さん(46)は、同市で過去十年で唯一の新規就農の酪農家だ。農業学校で教えていた約二十年前からの夢だったという酪農。「おいしい牛乳を届けたい」と、約八十頭の乳牛の世話に励んでいる。(山下葉月)

 水戸インターチェンジから車で五分。小高い丘にある牛舎で、一日二回の乳搾りをはじめ、牛舎の掃除や餌やり、子牛へのミルクやりなどに励む。妻(49)、パート職員と三人ではハードな作業だが、「好きなことなので苦はありません」とほほ笑む。

 水戸市出身で、東京農業大学に進学した。父親と同じ国際協力機構(JICA)の職員として発展途上国の農業支援をしたいと考えていたが、より農業の見聞を広げようと、長野県の農業実践大学校に進んだ。

 「酪農の授業で間近で見た牛の雄大さに魅了されてしまって」と酪農に関わろうと決意。水戸市の日本農業実践学園などで教えていたが、国の新規就農者補助金の対象年齢(四十五歳未満)も迫り、牛を買い取って一六年に就農した。

 生乳の出荷は日量約千三百キロ。笠間市の県央クーラーステーションから乳業メーカーに届けられる。

 良質な牛乳を届けるため、牛の健康管理はもちろんストレスを減らすことにも気を配る。生き物相手で、病気などの不安もついて回るが、「毎日の管理が終わって満足そうに眠る牛たちの姿を見ると、心が豊かになります」と話す。今後は牛の数を増やし、出荷量を二千キロにまで増やしていくつもりだ。

◆新規就農 1割増328人

 県のまとめでは、二〇一六年度に県内で農畜産などの職に就いた新規就農者は三百二十八人(十六〜四十四歳)で、前年度を二十八人(9・3%)上回った。新たに農業を始めた人や女性の増加が特徴。ただ、県の農業の維持・発展には新規就農者が五百人必要との数値が出ており、県は確保に努めたいとしている。

 県内十二カ所の県農業改良普及センターを通じて集計した。男女別は男性二百六十二人、女性六十六人。女性は前年度に比べ二十三人増加した。

 農家出身者のUターンは百二人で前年度比四人減。一方、新しく始めた人は五十七人で三十人増と大幅増になった。新規就農者の経営別では、初期投資が比較的少ない野菜が二百二十三人。コメなどが四十四人、畜産が三十六人で続いた。

 県農業経営課は、増加の要因について、就農の情報や相談の充実に加え、国の資金交付などの支援が進んだことを挙げ、「農業を職業の一つの選択肢に考える人が増えているのでは」とみる。(鈴木学)

 

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