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【茨城】

東海第二の深刻事故備え 城里町、栃木5町と避難協定

協定書を手にする城里町の上遠野町長(右から3人目)ら=栃木県芳賀町で

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 日本原子力発電東海第二原発(東海村)で放射能が漏れる深刻な事故に備え、一部が原発30キロ圏に入る城里町は28日、町民約1万9000人の避難を受け入れてもらうため、栃木県の5町と協定を結んだ。ただ、地震などが同時に起きる複合災害や、放射性物質が飛散し、避難先も被災する恐れがあり、課題を指摘する声もあった。 (越田普之)

 城里町と協定を締結したのは益子、茂木、市貝、芳賀(はが)、高根沢の五町。協定は全十条で、避難期間を原則一カ月とすることや、費用を城里町側が負担することなどが定められている。

 この日、芳賀町役場で締結式が開かれ、城里町の上遠野(かとうの)修町長は「避難先が決まりスタート地点に着くことができたが、町には鉄道などの大量輸送手段がない。渋滞問題や、車を運転できない人を救う方法など、一つ一つ解決していかなければならない」と語った。

 町によると、避難計画は新年度内の策定を目指して作業中。現段階の想定では、町内を十地区に分け、国道123号と県道水戸茂木線の二ルートから自家用車やバスで避難する。町民向けの説明会は、計画策定後を予定しているという。

 芳賀町の見目匡(けんもくただし)町長は、「避難者の受け入れについて地域住民に理解してもらうことが大事」と述べ、地区座談会などで周知を図る考えを示した。

 また、東海第二の五十キロ圏に入る益子町の法師人(ほうしと)弘副町長は「事故時は三十キロ圏と同じように被災し、避難先としてふさわしくない場合も想定される」と課題を指摘した。

◆原発対策係を新設 水戸市、来月から3人配置

 東海第二原発の事故に備え、水戸市は四月から原子力問題に特化した専従職員を市防災・危機管理課に置く。避難計画の策定業務のほか、原発の安全性などを検討するため市が新たに作る有識者会議の事務局などを担当する。

 市によると、課の中に「原子力安全対策係」を新設し、係長を含めた専従職員を三人配置する。これまで原子力防災などの業務は、課に従来からあった危機管理係五人で務め、北朝鮮のミサイル対応などと併せて対応していた。

 設置の背景には、原電が昨秋、東海村や水戸市など周辺の六市村でつくる「原子力所在地域首長懇談会」で、再稼働の際の事前了解権を周辺の五市にも拡大する方針を提示したことにある。高橋靖市長は「権限を得ることは、責任を得ることだ」として、学識関係者や市民でつくる有識者会議を設置し、原子力問題に積極的に関わる方針を示していた。 

  (山下葉月)

◆「常陽」5キロ圏の避難計画策定へ 大洗町、新年度から

 大洗町は二十八日、町内の日本原子力研究開発機構の高速実験炉「常陽」の深刻な事故に備えた住民の避難計画の策定に新年度から入ることを明らかにした。

 同日、改定された県地域防災計画に、常陽のUPZ(緊急防護措置区域)が半径約五キロと記されたことに合わせた。町によると、東海第二原発(東海村)向けの避難計画とは別に策定する。避難先は、町内の半径五キロ圏外で確保できる見通し。県によると、東海第二と常陽で同時に事故が起きた場合の避難方法も今後、検討課題となる。

 二〇一六年度末に改正された国の原子力災害対策指針で、常陽などの研究用原子炉にも、出力に応じたUPZが設定された。

  (酒井健)

 

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