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【茨城】

潮干狩り 鹿島灘で大幅縮小エリア40キロ→3キロ ハマグリ枯渇危機

潮干狩り可能なエリアを示す看板が設置された大洗サンビーチ=同町で

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 鹿島灘のハマグリ漁獲量が激減していることを巡り、漁業権を管理する鹿島灘漁業権共有組合連合会は、波打ち際に集まって来る稚貝を守るため、潮干狩りを認めてきた区域を今月から大幅に縮小した。従来は4市町の海岸約40キロで潮干狩りを楽しめたが、変更後は4カ所の計3キロに限られる。関係者は「今、稚貝を保護しなければ資源が枯渇してしまう」と理解を求めている。 (越田普之)

 大洗町から神栖市の沖合に広がる鹿島灘は、ハマグリやホッキ貝の一大産地として知られる。漁業権は大洗町、鹿島灘、はさきの三漁協でつくる組合連合会が管理。沿岸四市町の観光振興のため、漁業者も採取を制限される保護区域や保護水面を除き、採取量や使用漁具のルールを設けた上で、無料のハマグリの潮干狩りを容認してきた。

 鹿島灘のハマグリ漁獲量は、ピーク時の一九九三年には約千七百五十トンに上った。ところが二〇一六年は5%程度の約九十九トンまで落ち込んでしまった。この要因となっているのが、稚貝の発生不良だ。

 組合連合会や県によると、鹿島灘ではかつて、稚貝の大発生が数年に一度の頻度で確認されてきた。しかし、海洋環境の変化のせいか、ここ二十年間は大発生が起きなかった。

 そこに潮干狩りが追い打ちをかける形となった。鹿島灘では「成長途上にある三センチ以下のハマグリは採らない」とのルールがあるものの、エリアが広いために監視が行き届かず、野放し状態になっていた。

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 採取量に応じた有料制が中心の千葉、神奈川県と異なり、無料開放していたこともあだとなった。一部の悪質な客は、違反漁具を使い「一日一人当たり一キロ」を大幅に超過する採取を繰り返していたとみられるという。

 こうした中、一五年に二十年ぶりとなる稚貝の大発生が起きていたことが、県水産試験場(ひたちなか市)の調査で判明。次が何年後になるか見通せないため、組合連合会では即時の保護が必要と判断。県や沿岸自治体と協議の上、潮干狩り容認区域の縮小に踏み切った。

 今後、潮干狩りができるのは▽大洗サンビーチ(大洗町、第三サンビーチは除く)▽鉾田海水浴場(鉾田市)▽下津(おりつ)海水浴場(鹿嶋市)▽日川浜海水浴場(神栖市)の四カ所。これ以外の場所での潮干狩りやルール違反は、漁業関係法令違反による罰則がある。

 県漁政課の担当者は「今まで潮干狩りに来ていた人から『何で縮小したのか』という声も出ると思う。県でも会員制交流サイト(SNS)などで周知を図り、漁業者を支援していく」と話している。

 

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