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【茨城】

強制不妊手術 9人の記録見つかる 障害者関連団体 実態解明 県に求める

1954年に県立内原精神病院で手術を受けた9人に関する文書(全国障害者問題研究会茨城支部提供)

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 旧優生保護法(一九四八〜九六年)下で障害などを理由に不妊手術が繰り返されていた問題で、全国障害者問題研究会茨城支部(結城市)の会員が十七日、県立病院で一九五四年度に手術を受けた九人の氏名などが書かれた記録を見つけたと発表した。「個人を特定できる資料はない」と説明してきた県は「調査不足だった」と謝罪。支部は県に、実態解明と救済を申し入れた。(酒井健)

 県庁で会見した支部会員で元特別支援学校教諭の船橋秀彦さん(62)=笠間市=によると、記録は、県が当時の厚生省から、不妊手術の費用の補助金を受け取るための清算書。当時の県立内原精神病院(現・県立こころの医療センター)で、五四年度に手術された十五〜三十歳の男女九人の氏名や疾患名、術式や入院日数などが記されている。

 九人が存命かは不明で、同病院の入院患者と、県立の知的障害児施設の入所者とみられる。施設入所者の手術は、施設長の同意があれば可能だったことなどから、船橋さんは「同病院での手術は強制性があった」と説く。清算書を見つけたのは約十年前で「保管先はプライバシーの保護の点から話せない」とした。

 厚生労働省が統計を元に発表した県内の手術件数は五十四件で、県は個人名の特定はできていないとしていた。

 県の国松永稔(ながとし)・子ども政策局長は、船橋さんが示した記録に「私たちの知らない資料。書式などから本物の可能性が高く、調査不足だった」と謝罪。「記録は県の機関に、旧優生保護法関連ではない資料として保管されていた。資料を早急に確認し、より広範囲の公文書などを調査していきたい」とした。

 個人名が特定できれば、対象者の生死やケアの必要性の確認ができるが、国松局長は「まずは資料を確認し、国の指示を待ちたい」と述べるにとどめた。

 厚労省によると、手術件数の最多は北海道の二千五百九十三件。現在、全国の自治体に資料の保全を求めている。国会では手術を受けた障害者の救済に向けた議論が進んでいる。

 

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