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【茨城】

強制不妊手術の個人記録 新たに10人分見つかる 県立歴史館、県に報告せず

強制不妊手術を受けたとみられる計19人の氏名が記録された文書の冊子=県庁で

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 旧優生保護法(一九四八〜九六年)下で障害などを理由に強制不妊手術が繰り返されていた問題で、県は十九日、新たに、手術を受けた十人の氏名を記録した文書が見つかったと発表した。これで個人名が特定できたのは計十九人。文書は県立歴史館(水戸市)の書庫に保管され、一月に研究員が見つけていたが県の担当部署に報告していなかったことも判明した。 (酒井健)

 県によると、見つかったのは、県が国から手術の補助金を得るための起案文書。五五年度に旧県立内原精神病院で手術を受けたとみられる十五〜四十一歳の男女計十人の氏名が記されている。

 十七日に全国障害者問題研究会茨城支部の船橋秀彦さん(62)が指摘した五四年度の文書と同じ書式で、いずれも歴史館で保管されていた。文書が入った冊子のタイトルは、五四年度が「地方衛生研究所事業の精算書綴(つづり)」、五五年度が「国庫補助精算書綴」だった。

 県はこれまで、個人名を特定できる資料はないと説明していた。

 会見した歴史館の富田任(たもつ)行政資料課長によると、外部から情報公開請求を受けた昨年十二月、検索システムを使い調べたが見つからず、県本庁に「不存在」と回答。翌一月、研究員が手作業で書庫を調べて発見したが、「調査結果がある程度まとまってから報告しようと考えていた」として県本庁に報告しなかった。

 一方、担当する県少子化対策課は、館に本格的な調査依頼をしなかった。菅谷誠一課長は「歴史館に過去の行政文書があることは認識していた。保管されている可能性を考えるべきだった」と陳謝した。

 厚生労働省のまとめでは県内の手術件数は五十四件とされるが、県は、今回の十九人が該当するかは分からないとしている。

 県は、当事者の相談や関係者の情報提供などを受け付ける。問い合わせは県少子化対策課=電話029(301)3257=へ。

 

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