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【茨城】

被害防止策など先送り 霞ケ浦導水起訴和解成立も

 「終着点ではなく、出発点とも言える。双方が率直で冷静な意見交換をして、納得いく結論が出るように望む」。都築裁判長は和解条項を読み上げた後、そう語りかけた。

 和解条項では、国は漁業者の意見を尊重しながら、導水の本格運用の方法を決める、とされた。これについて、原告側の弁護士は「具体的な漁業被害の防止策などは、かなり先送りした内容」と認める。

 和解成立後に会見した那珂川漁協の添田規矩(つねのり)組合長(76)は「署名などで協力してくれた方々に感謝したい」と一定の達成感を口にしながら、「これからが本当の協議の場。那珂川への影響を防ぎ、自然環境を守るために努力していく」と表情を引き締めた。

 那珂川とつながる涸沼でシジミ漁をしている大涸沼漁協の坂本勉組合長(65)も「的確な水質調査と情報公開をして、適切な運用をしてもらいたい」と国に注文を付けた。

 霞ケ浦導水事業は着工から三十年以上がたった。人口減少の時代になり、需要への疑問が根強い。霞ケ浦の水質浄化効果も、国側の証人の元大学教授が「目に見える形で水質改善はできない」と認めた。維持費が水道料金に上乗せされるなど、県民の負担増になる可能性もある。

 谷萩弁護団長は「和解はしたが、やめるべき無駄な事業で、つくる意味があるのかと個人的には思っている」と漏らした。 (宮本隆康)

 

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