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【茨城】

<子どものあした>「子ども食堂」 県内でも広がる「輪」

ちらしずしなどで食卓を囲む「うしくっ子Sun」の参加者とボランティア=牛久市で

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 地域の子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」が、県内でも広がりを見せている。市民活動を支援するNPO法人コモンズ(水戸市)の調査では三月現在、県内に三十九カ所あり、その場所が分かるマップも作られた。生活が苦しい家庭の子どもへの支援や、また地域住民の交流の場として、定着しつつある。 (酒井健)

 大型連休入りした四月末。牛久市の三日月橋生涯学習センターで、月に一度の子ども食堂「うしくっ子Sun」が開かれた。

 ボランティア手づくりのちらしずしやケーキで、五世帯の約十五人が食卓を囲む。母子連れも、兄弟姉妹だけでの参加もある。食事中は談笑が聞こえ、おかわりする子もいる。食べ終わった子はそれぞれ、片付け場の調理室に食器を返しに行く。

 昼食後は、寄付されたおもちゃを賞品に、じゃんけん大会。その後は持参の問題集で勉強したり、自由に遊んだり。小学三年生の女児(8つ)は「おいしかったし、遊ぶのが楽しい」と満喫。母親(39)は「母子会の紹介で来るようになった。(寄付品の)古着をもらえることも助かる」と話した。

 うしくっ子Sunは、地元の市立中学校の元PTA役員を中心に二〇一六年夏に発足。代表の諏訪浩子さん(48)によると「制服を用意できない」「ランドセルを回して」という声を、ママ友仲間から聞いたことがきっかけだった。

 「貧困と言っても、見た目には分からないし、家庭の事情もさまざま」と諏訪さん。「冷蔵庫に何も入っていない家もある。親が真剣に子育てをしていても、(精神面やしつけなど)何かを補い切れない家もある」と続ける。「支援だけでなく、孤独な子育てにならないよう、みんなでご飯を食べようという気持ちが強い」と趣旨を説明する。

 食材は寄付でまかない、子どもは無料。参加者を募るに当たっては、市を通じて、校区のひとり親家庭や生活保護家庭に案内し、希望者から主催団体に連絡をもらっている。

 対象者を限定せず、地域の交流を重視する子ども食堂もある。水戸市の泉町会館で毎月第三土曜日の昼に開く「310(みと)食堂」は、大人も子どもも参加自由。たけのこご飯や魚料理などが用意された四月二十一日は、買い物途中に初めて立ち寄った親子連れも、つえを突いた一人暮らしのお年寄りもいた。学生ボランティアも多く、にぎやかな雰囲気だ。

 「悩みや問題を抱えている子どもは、貧困の家庭に限らない」と主催団体の横須賀聡子共同代表(57)。「幅広い世代や立場の人がつながり、困っている人を見捨てない地域をつくりたい」と目標を掲げる。

 コモンズの大野覚事務局長は「子どもの貧困を背景にクローズアップされてきた子ども食堂は、地域の交流のためというのが主流になっている」と解説。その上で「生活困窮者を把握している行政が、子ども食堂の情報を必要な人に届ける連携の形ができれば、貧困に苦しむ子どもに支援しやすくなる」とみている。

 コモンズが作ったマップはホームページから見ることができる。

 

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