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【茨城】

不動尊荒廃 悩む水戸市 笠原水道の水源守る

戸板がなくなり、屋根に穴が開くなど荒れ果てた状態の笠原不動尊=水戸市で

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 江戸時代に徳川光圀が整備した水戸市の笠原水道を守る「笠原不動尊」が、荒れ果てた状態で放置され、市が対応に苦慮している。一九七〇年代に住民有志が再建した後、世代交代で管理の担い手がいなくなったのが原因。所有者がはっきりせず、政教分離の原則で行政主導の対応も難しく、地元では観光への悪影響を嘆く声も上がる。

 日中も薄暗く樹木が茂る中、戸板がなくなり、屋根に穴の開いた笠原不動尊がひっそりとたたずむ。公園として整備された笠原水道の水源から、石段で上がった場所だ。

 水戸市教育委員会によると、水源を守る神仏として住民の崇敬を受けていたが、一八四三年に徳川斉昭の命令で取り壊された。地元住民によると、一九七〇年代に水道の歴史を見守る不動尊の復活を目指して有志らが再建。しかし、再建に関わった世代の減少とともに放置され、荒れ果てたとみられる。

 市教委の担当者は「建物の所有者が見つからず、対応策が協議できない。宗教施設に当たるので、市の主導で建て替えるわけにもいかない」と頭を抱える。地元住民の間では、建て替えを求める声がある一方で「管理する人がいない以上、取り壊しが現実的ではないか」との意見もある。

 笠原水道は県文化財に指定され、水戸観光コンベンション協会が観光施設として紹介している。周辺地区で町内会長を務める穴沢俊雄さん(69)は「荒れ果てたままでは市民や観光客を怖がらせてしまう。光圀公も怒っているはずだ」と市に対応を働き掛けている。

 

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