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【茨城】

ジョン、またいつか ボランティア犬 県立こども病院に笑顔届け118回

子どもたちとの触れ合いで、おとなしく身を委ねるジョン。右は飯塚さん=水戸市で

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 水戸市の「県立こども病院」で子どもたちを元気づけてきた日本盲導犬協会のPR犬「ジョン」。協会や病院の方針により、毎週のようにしてきた慰問が打ち切りとなった。協会ボランティアとしてジョンを預かり、病院に連れてきた飯塚みどりさん(61)=水戸市=は無念さをにじませつつも、諦めてはいない。 (越田普之)

 ひとまずの区切りとなった三月二十九日。三年前からのこども病院慰問は百十八回を数える。ジョンと飯塚さんは、血液疾患以外の子どもたちが入院する「2B病棟」の多目的スペースを訪れた。

 ジョンは飯塚さんの合図でおとなしく寝そべった。待ち構えていた子どもたちに身を委ねて体を自由に触らせ、気持ちよさそうにしっぽを振る姿に、子どもたちから「超かわいい!」と歓声が上がった。

 ジョンは雄の七歳のラブラドルレトリバー。協会の神奈川訓練センター(横浜市)で盲導犬になるトレーニングを受け、優秀だったが、雷が極度に苦手なことからPR犬に転じた。飯塚さんの元に来た二〇一五年六月以来、盲導犬の啓発にとどまらず、穏やかな性格を生かして人々に癒やしを与えるセラピー犬としても活躍してきた。

 ジョンと初対面だった女子中学生は「ドキドキしたけれど、膝に頭を乗せてくれてうれしかった。今は車いすなので、次は一緒に歩いてみたい」とにっこり。ただ、彼女が望んだ再会の日は白紙だ。

 協会は理由を「盲導犬事業として、この活動にどのような意義を見いだすか、見直すため」と説明。パンフレットでジョンを「スタッフ犬」として紹介してきた病院側も、事故の場合の責任問題を理由に、今後は飯塚さん個人の慰問を受けない方針という。

 来院前にジョンのシャンプーは欠かさず、毛が落ちないよう「マナーコート」を着せるなど、飯塚さんは衛生面でできる限り注意は払ったという。事故もなかった。「動物がいるだけで子どもたちは笑顔になる。笑顔は免疫力を高める」と信じて慰問を続けてきた。

 失意の中ながら、「セラピー犬として、まだまだ伸びしろがある」と飯塚さん。こども病院への慰問再開が願いだが、「ジョンに会いたいと言ってくれれば、どこでも笑顔で行きます」と話している。

 

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