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【茨城】

結城市の大学誘致 暗礁 600私大にアンケ不調

前場市長が「看板の掛け替え」に言及した県結城看護専門学校=結城市で

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 結城市が取り組んでいる医療福祉系大学の誘致が、暗礁に乗り上げている。市によると、全国の私立大を対象に進出の意向を尋ねたところ、色よい返事はなかった。市は、市内にある県結城看護専門学校を四年制の私立大へ転換する「看板の掛け替え」も視野に入れているが、県との協議も進んでいないのが実情だ。 (越田普之)

■2期目の公約

 「看護専門学校を主体とする可能性を含め、さまざまな角度から検討する」

 十一日に開かれた市議会の一般質問で、大学誘致の方針を問われた前場文夫市長は、そう答弁した。

 大学誘致は、前場市長が二期目の公約に掲げている。もともとは、経営が芳しくなかった看護専門学校に代わる教育機関を誘致するよう、橋本昌前知事から「お願いされた」(前場市長)という。県西地域の看護師が不足している背景もあり、医療福祉系を想定している。

 市は二〇一六年度に大学誘致推進室を設置し、一七年度に全国約六百の私大に対し、市への進出意思をアンケートで調べた。

 アンケートに回答した二百十五校のうち「進出の可能性あり」としたのは二校。ただ、市の担当者が、この二校を訪れて聞き取りすると、いずれも少子化や大学キャンパスの都心回帰を理由に、「進出は困難」との結論だった。

 仮に進出するとしても、施設整備や費用の「丸抱え」など、財政難の市には応じられない条件を提示されたという。

■看板掛け替え

 こうした中、橋本前知事が昨年の知事選で落選。看護専門学校も一七年度に国家試験合格率100%を達成するなど結果を出し経営改善を進めており、大学誘致の根拠は揺らいでいる。

 前場市長は「知事が交代し、方向性が変わってきている」と認める。それでも「三年制の看護学校より、四年制の大学をみなさん望んでいる」と、誘致の旗を降ろしていない。

 市は夏ごろまでに有識者会議を設け、これまでの調査結果を踏まえた方向性を議論する。

 看護専門学校は、県などが出資する公益財団法人が運営し、看板の掛け替えは市単独では決められない。県の担当者は「現段階では、そうした話は出ていない」とし、議論が深まっていない実態が浮かび上がる。

 市は誘致のために、一八年度も含めて約一千万円を投じた。一部の市議からは「前に進まないのであれば、この辺で一区切りつける時期じゃないか」との声も出ており、前場市長は継続か断念か判断を迫られている。

 

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