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【茨城】

東海村の花スカシユリ 減少に危機感 専門家ら生態やDNA調査

東海村に咲くスカシユリ(村教委提供)

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 東海村の花に定められているスカシユリを増やすプロジェクトが進んでいる。かつて村沿岸部で多く生息していたが、現在では村の日本原子力研究開発機構の施設内でしか見られなくなった。専門家らでつくった実行委は昨年、スカシユリに適した生育条件を探ろうと初めて、生態やDNAを解析した。村で二十四日に開く報告会で発表する。 (山下葉月)

 スカシユリはオレンジ色の花弁が特徴で、六〜七月に咲く。県内でも鹿嶋や神栖市など沿岸部を中心に生息し、村制三十年の一九八五年には村の花に制定するほど各地で群生していた。

 ただ、スカシユリが見られる地域は減ってきている。実行委の副委員長で、村内の自然調査に長年関わってきた千葉科学大の特別講師、菊池芳文さん(古環境解析学)は「減少した詳細な原因は分からない」と説明する。

 村教委生涯学習課によると、村内の植物愛好家らが栽培に取り組んだこともあったが、成果は乏しかった。スカシユリに適した生育条件が分かっていなかったためで、課の担当者は「村の花なのに、見たことがないという人が増えている」と危機感を募らせる。

 スカシユリの生育条件を知るため、実行委は村のほか、県内や千葉県の沿岸部に咲くスカシユリの土壌や、採取した個体のDNAなどを調査。村で採取したスカシユリが、調査した中で最も古いことなどが判明した。

調査をした実行委の菊池さん=いずれも東海村で

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 菊池さんによると、これまでスカシユリを学術的に研究している人はほとんどいないという。今回の調査で、スカシユリの増殖につながる新たなデータが得られたといい、「また海岸一帯にスカシユリが咲く姿を見られたら」と夢を描く。

 今回のデータをもとに、増殖を手伝うボランティア組織も発足させる。

 報告会は二十四日午前十時から村立図書館の交流ラウンジで開く。スカシユリの鉢植えも見ることができる。参加費無料。

 

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