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【茨城】

「妻は帰らない 責任はっきり」 災害関連死の遺族訴え

 妻を災害関連死で亡くした常総市森下町の赤羽武義さん(78)は「天災なのか、人災なのか。人災だと思っているが、人災なら誰の責任なのかを知りたい」と訴訟の原告団に加わった。

 赤羽さんによると、二〇一五年九月の鬼怒川の氾濫で、自宅は床上五十センチほど浸水。妻ら家族はボートで救助され、自身は留守番を兼ねて二階で生活した。

 妻は避難所で数日過ごし、氾濫から約十日後に体調不良で入院した。「床下から床上に上がってくる水を見て、震えていた。家財も水浸しで家はめちゃくちゃになったし、精神的に相当まいってしまったんだろう」と推し量る。

 翌年二月、孫と見舞いに行き、帰りがけに「また来るからな」と声をかけた。妻は「うん」とうなずいた。これが最後の会話になった。七十五歳で、死因は肺炎だった。

 「堤防が壊れたりしなければ、もう少し一緒に、けんかしながら暮らせたのかな」と思いをはせる。水害から三年近くたつが、「五十二年間も自分を支えてくれた。寂しいから」と遺骨は寝室に置いたままだ。

 自宅の修繕など損害額は大きかったが、そのことが訴訟参加を決めた理由ではないという。「自宅や家財は少しずつ直したり買ったりすればいいが、妻は帰らない。妻の死に対して責任をはっきりさせてほしいから」と語る。

 

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