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【茨城】

筑波大の収蔵庫から太古の化石 福島で展示中、県内でも公開検討

パレオパラドキシアの化石(筑波大提供)

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 筑波大の収蔵庫に保管されていた化石が、一千万年以上前の海生哺乳類「パレオパラドキシア」の大腿(だいたい)骨と分かった。約六十年前に寄託された後、収蔵庫で眠ったままになっていたが、国立科学博物館の研究員が気付いた。九月二日まで福島県会津若松市の県立博物館で展示中で、茨城県内での公開も検討されている。 (宮本隆康)

 国立科学博物館や筑波大などの研究者による共同研究論文が、七月に英学術誌に掲載された。

 パレオパラドキシアは、恐竜が滅んだ後の二千三百〜一千万年前、北太平洋沿岸の浅い海に生息。体長二〜三メートル程度で四肢を備え、海藻や貝類を食べていたとされる。日本や北米大陸で化石が見つかっている。

 筑波大などによると、昨年六月、国立科学博物館の木村由莉研究員が収蔵庫を調査中、木箱に入った長さ約三十センチ、重さ約一キロの化石を見つけた。筋肉が付着するなど保存状態は良好だったが、登録はされておらず、何の化石かは分からなかった。

パレオパラドキシアの復元図=共同研究者の新村龍也・足寄動物化石博物館学芸員提供(松井久美子・元国立科学博物館特別研究員監修)

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 筑波大などとの共同調査で、体長二メートル超のパレオパラドキシアの右大腿骨と判明。木箱に入っていたメモから一九五〇年代、福島市土湯温泉町の砂防ダム工事現場で見つかったことも分かった。

 当時、現地では「恐竜の骨ではないか」と話題になったという。筑波大の前身の東京教育大の教員に預けられた後、持ち主との連絡が途絶え、収蔵庫に眠っていたとみられる。

 大規模な博物館の収蔵庫には数百万個の標本が保管され、担当者の交代などで情報が曖昧になることも多いという。

 パレオパラドキシアの化石は、一九八四年に福島県梁川町(現伊達市)でも見つかっている。木村さんは「忘れられていたが、東北地方で最初に見つかったパレオパラドキシアの化石だった。収蔵庫も専門家が調べれば、貴重な資料が再発見される可能性がある」と話している。

 

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