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【茨城】

「東海第二再稼働反対」声明 原子力市民委「首都圏全体の問題」

日本原子力発電の東海第二原発=東海村で、本社ヘリ「おおづる」から

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 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発について、脱原発を掲げる学者や市民団体メンバーらでつくる「原子力市民委員会」(座長・大島堅一龍谷大教授)は二十八日、再稼働をやめるべき理由などを列挙した声明を発表、ホームページで公開した。座長代理で国際環境NGO「FoE Japan」事務局長の満田夏花さんは「首都圏全体の問題なので、多くの人に読んでほしい」と呼び掛ける。 (越田普之)

 声明は、技術的な危険性▽経理的基礎▽避難の困難さ▽電力需給▽地元の事前了解−の五つの柱で構成。計十八項目にわたって、東海第二が抱える問題点を記している。

 声明で特に問題視しているのが、原電の経営体力を示す経理的基礎だ。原電は再稼働に必要な工事費を自力で捻出できないため、東京電力などに保証人になってもらい、金融機関から借りる計画を立てている。

 原子力規制委員会は計画を認めたが、声明では東海第二が稼働していたころの収益からみて、再稼働により売電しても「工事費が回収されるとは考えにくい」と指摘。資産にも疑わしい点があり、債務超過に陥る恐れがあるとしている。

 また、東海第二が福島第一と同じ沸騰水型の被災原発で老朽化が進んでいることや、周辺の原子力関連施設との複合事故の観点からも再稼働すべきではないと結論づけている。

 東海第二を巡っては、七月に新規制基準に事実上適合したと認める審査書案を規制委が公表。意見募集(パブリックコメント)には千二百五十九件もの意見が寄せられたが、九月上旬にも正式適合が決まるとみられている。

 「適合前に意見を表明する必要があると考えた」と満田さん。声明は、原電や東海第二の三十キロ圏内の十四市町村にも送付したという。

◆東海第二の再稼働反対の声明骨子

(1)技術的な危険性

 ・福島事故の教訓が安全対策に反映されていない

 ・東日本大震災で被災し、老朽化も進んでいる

 ・一部を除き、難燃性能のないケーブルを継続使用

(2)経理的基礎

 ・1740億円に上る工事費を回収できない可能性

 ・資産内容からは実質的な債務超過が疑われる

 ・事故を起こした東電による支援は許されない

(3)避難の困難さ

 ・14市町村の96万人が一斉に避難するのは非現実的

 ・避難計画が不要の30キロ圏外でも深刻な汚染の恐れ

(4)電力需給

 ・電力は足りていて、東海第二を動かす必要はない

(5)地元の事前了解

 ・6市村の了解を得ないで工事を進めるべきでない

 

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