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【茨城】

<ひと物語>茨城国体のオープン競技「車いすダンス」に参加 溝口之絵さん(29)

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 車いすに乗る障害者と健常者が一緒に踊る「車いすダンス」。ワルツやタンゴなどの社交ダンスで、息の合った演技を競う。来年の茨城国体・全国障害者スポーツ大会のオープン競技の一つとなっており、参加を決めている。

 所属するウィルチェアダンス研究会「クアルト」(神栖市)の最年少メンバーで、期待のエースだ。ダンスの魅力を「スポーツ性と芸術性を兼ね備えているところ」と紹介する。

 「パートナーと一緒に踊っているという意識が大切です」と話し、週に二度、四時間近い練習をこなす。競技を始めてまだ三年だが、大会に出場できる程に成長した。

 座っているが、上半身の動きなどで優雅さを演出。車いすの動かし方にも何パターンもあり、さまざまな技を身につけている。

 生まれつきの脳性まひで、両手両足にまひがある。「指の動きがぎこちなかったり、自分のイメージしたように体が動かなかったりします」。不自由さはあるが、五歳で車いすを使い始め、走れることを楽しく感じていたという。

 転機は、何か趣味を持ちたいと考えていた三年前。神栖市の広報紙でクアルトの記事を読んだ。スポーツに苦手意識があったが、「活動的なことをしたい」とすぐに連絡を取り、門をたたいた。以来、その世界に魅了され続けている。

 当初は障害の影響で、体に力が入りすぎて思うように動かないことも。「脳内で体のイメージがわいても、実際に自分の体の状態が著しく違う時もあるんです」。自分とパートナーの位置がどうなっているのか把握するのも苦手だった。

 しかし、練習を重ねるにつれ、その差も縮まったほか、体力がついたり、背筋が伸びて姿勢がよくなり、柔らかい動きもできるようになった。

 「いいことを挙げれば切りが無く、車いすダンスは人生に彩りを与えてくれました」とほほ笑む。

 車いすダンスはまだまだ知名度が低いと認識している。国体を機に「多くの人に関心を持ってもらえたら」と願う。

 一番近い競技会は、十一月に水戸市で開かれるオープン競技のプレ大会。車いすダンスで自分の人生が彩られたように、美しいドレスを身にまとい、さまざまな舞台へ挑むつもりだ。 (山下葉月)

<みぞぐち・ゆきえ> 1989年7月、神栖市生まれ。東京の大学を卒業後、鹿嶋市の介護老人保健施設で事務員として働く。溝口さんが参加するオープン競技のプレ大会は11月25日、水戸市の青柳公園市民体育館で開かれる。

 

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