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【茨城】

霞ケ浦の未来へ市民も 世界湖沼会議15日開幕

霞ケ浦を望む場所で、市民参加について語る沼沢さん=土浦市で

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 湖面積で国内第二の霞ケ浦を抱える県で、世界湖沼会議が十五日から十九日まで、開かれる。開催は二十三年ぶり二回目で、会場はつくば市のつくば国際会議場。専門家の会議と思われがちだが、湖沼環境の改善に住民の協力は欠かせず、主催者や環境団体は住民の参加も期待する。 (鈴木学)

 「難しい発表もあるが、市民団体の発表は増えている。せっかくの地元開催なので、参加してみては」と、環境団体「霞ケ浦市民協会」理事長の市村和男さん(54)は促す。事前登録がなくても、県民はセッションや分科会などに一日千円で参加でき、質問も可能だという。

 テーマで「放射性物質」が設定されていないことに批判も出ているが、協会の研究アドバイザーの沼沢篤さん(66)は「放射性物質もタブーではない。その人その人に響くテーマがあると思う。仮にない場合も水質の改善にはこんな視点が足りない、と考えてもらえるきっかけになるのでは」と話す。

 ◇ 

 霞ケ浦も水質浄化が大きな課題だ。市民が参加しやすい取り組みはないか。

 沼沢さんは一つの取り組みを提案する。キーワードは河童(かっぱ)だ。「河童に引き込まれないように祠(ほこら)などにお供えをし、水を汚さないよう大切にしていた。身近に感じてもらえる素朴な信仰を復活させ、水質改善につなげられないか」

 シンボルによって環境保全に成功している例には、イギリス湖水地方のピーターラビット、スコットランド・ネス湖のネッシーを挙げる。

 「科学技術や政策、法令の整備はある程度、取り組んできた。霞ケ浦の水質をさらに良くしようと思ったら歴史や文化、信仰などからの取り組みが必要だと思う」。今回「水辺地域の歴史と文化」をテーマにした第四分科会で、ポスター発表するという。

 ◇ 

 前回の湖沼会議をきっかけに、霞ケ浦湖畔で現在も続くイベント「泳げる霞ケ浦市民フェスティバル」が始まった。

 今回は、プレイベントが八日に鉾田市の鉾田総合公園などで、十三日には土浦市の土浦港付近などで開かれる。会議前の十四日には、つくば国際会議場で学生会議(無料)もある。

 湖沼会議は、湖沼環境改善に取り組む市民活動が盛んなことを世界にアピールするいい機会、という二人。「霞ケ浦をきっかけに市民参加が増えた、と言われるようになれば」と話す。

◆「人との共生」テーマに

 研究者や行政、NGO、市民らが、湖沼やその流域で起きている環境問題の解決に向けて意見を交わす世界湖沼会議。県内で前回(一九九五年)開かれた会議は「人と湖沼の調和」をテーマに、湖沼の利用や環境保全、湖の富栄養化などを議論した。まとめられた霞ケ浦宣言には、行政・産業界・学界・住民の協力体制の確立がうたわれた。

 今回は「人と湖沼の共生」をテーマに、食料や水など生態系から得られる恵み「生態系サービス」を将来にわたって享受する方法などについて意見交換する。

 湖沼一般の問題を討議する「湖沼セッション」、霞ケ浦に特化してその未来像を探る「霞ケ浦セッション」があるほか、九つの分科会では口頭・ポスター合わせて四百四十八の発表があり、それらも加味して新たな霞ケ浦宣言を発表する。開会式には、秋篠宮ご夫妻が出席される。

 参加料は、期間の通し参加が一般二万円、学生一万二千円、一日参加はそれぞれ五千円、三千円。ただし、県民の一日参加は千円(要身分証)。

 問い合わせは県世界湖沼会議準備室=電029(301)2995=へ。

 

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