東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 茨城 > 記事一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【茨城】

常総生協 ヨウ素剤配布 原発から40キロ以上 組合員600人に

原発事故に備える安定ヨウ素剤(県提供)

写真

 東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発から放射能が漏れる深刻な事故に備え、常総生活協同組合(守谷市)は十日、組合員のうち希望する約六百人に甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤を配布する。常総生協がサービスを提供する県内と千葉県の二十市町は、ほとんどが東海第二から四十キロ以上離れているが、担当者は「距離にとらわれていては被害者になる」と意図を説明する。 (越田普之)

 原子力規制委員会が定めた指針では、原発からおおむね五キロ圏で、関係する道府県が全住民へヨウ素剤を事前配布する。五キロから三十キロ圏の自治体では保健所などに備蓄し、事故が起きた後に配られる。

 東海第二の場合、東海村全域と日立、那珂市の一部が事前配布の対象。一部が五キロ圏に入るひたちなか市は、独自に全住民への配布を進めている。

 一方、三十キロ圏外の自治体では、事前配布や備蓄の動きもない。常総生協では昨年六月ごろ、事故に備えてヨウ素剤がほしいとの要望が組合員から出た。対応を検討し、鹿児島市や相模原市の医師に協力を得て、配布できることになった。

 民間レベルのヨウ素剤配布は、東京都や神奈川県で例があるが、茨城県内について、県は「聞いたことがない」と話す。

 常総生協が十日に開く配布会では、原発三十キロ圏外の自治体で初めてヨウ素剤の事前配布に取り組んだ兵庫県篠山(ささやま)市の関係者も招き、重大事故への心構えも語ってもらう予定だ。

 東京電力福島第一原発事故では、風向きの影響により、北西へ五十キロ離れた福島県飯舘村が大きく汚染された。こうした問題を受け、原発七基を抱えるベルギーは、二十キロ圏内だった事前配布を全土へ拡大する対応策を取った。

 常総生協の担当者は「放射性物質は遠くまで飛ぶので、三十キロ以上の距離があっても東海第二と離れているとは思っていない。自分たちでできる防災を考えないといけない」と語った。

 今回は希望する組合員だけが対象で、要望があった場合、検討するとした。

◆県の配布分 交換時期 使用期限3年

 県は本年度、東海第二から五キロ圏内の三市村で、二期に分けてヨウ素剤の配布会を開いている。一月から二月にかけての第二期の配布は、十七日の日立市が最終回となっている。

 ヨウ素剤の使用期限は三年で、県が二〇一五〜一七年度に配布した三歳以上用の丸薬は交換の時期を迎えている。三歳未満用のゼリー剤を合わせた配布率は、一期目の配布会終了時点で35・7%にとどまる。県の担当者は「早く交換してもらえるよう、配布会を続ける」と語った。

 独自に全住民への配布を進めているひたちなか市では、月三回の配布会に加えて薬局での受け取りもできる。しかし配布率は伸び悩んでおり、丸薬が26・27%、ゼリー剤が46・64%となっている。市が配布した丸薬は、今年七月末で使用期限が切れる。このため、七月上旬ごろから更新を進めていくとしている。

 県への問い合わせは薬務課=電029(301)3384=へ。 (越田普之)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報