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【茨城】

トンボ手本にUV対策 産総研など 分泌物の主成分を解明

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 つくば市の産業技術総合研究所の二橋亮主任研究員らの研究グループと、浜松医科大の針山孝彦特任教授や山浜由美博士のチームが、強い紫外線(UV)防止能力を誇るシオカラトンボの分泌物の主成分を解明した。環境や人に優しいUV対策の開発につながると期待される。研究成果は英国学術誌「eLife」電子版に掲載された。 (鎌倉優太)

 シオカラトンボは全国に分布しており、童謡「とんぼのめがね」のモデルとされる。通常、昆虫は日差しを嫌い、日陰や土中を好むことが多いが、成熟したシオカラトンボの雄は日なたを縄張りとして飛び回る。体表にUVを強く反射するワックスを分泌し、体温上昇などのダメージを防ぐことが知られているが、その組成は不明だった。

 浜医大の針山特任教授は、生物学者として、昆虫の目を通した世界がどのように見えているのかを研究してきた。産総研側の呼びかけで約五年前からシオカラトンボの共同研究を開始。山浜博士と協働で、分泌ワックスのUV反射率を調べたり、電子顕微鏡を用いたりして解析を進めた。

 その結果、三種類の極長鎖メチルケトンと四種類の極長鎖アルデヒドがワックスの主成分であることが判明。同様の分泌物は他の生物では確認されていないという。最も強いUV反射がみられたのは背側の分泌ワックスで、主成分中でも極長鎖メチルケトンが多かった。これを化学合成し、再結晶化したところ、トンボの体表面とよく似た構造が生じ、強いUV反射能力や撥水(はっすい)性を再現できたという。

 針山特任教授は「プラスチックに塗れば、UVで傷みにくくなり、耐久性も向上できる。生物由来の成分で人にも優しいので、化粧品にも応用可能。企業の協力や化学合成のコストカット次第だが、数年以内に実用化できれば」と話した。

 

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