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【第99回全国高校野球選手権大会・埼玉】

<熱球譜>気迫の走塁好機つなぐ 熊谷商3年・草野祥暢選手

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 6点を追う五回裏2死満塁。味方打者の打球は、力なく三遊間に転がった。なんなく遊撃手がさばいて二塁へ送球、チェンジかと思われた瞬間、二塁へ矢のように頭から飛び込んだ。

 「タイミングは絶対アウト。でも諦めなかった」。気迫に押されたのか早大本庄の二塁手が思わずボールをこぼす。三塁走者が生還。それを見届けると、二塁上で雄たけびを上げた。「ベンチを反撃モードにするプレー」(新井茂監督)で、熊谷商はこの回3得点した。

 チームでは自他ともに認めるムードメーカー。たとえタイミングはセーフの場面でも、「プレーで盛り上げたいから」と、あえて気迫のこもった全力のスライディングを見せる。

 前日に延長十五回を戦った疲れは確実に残っていたが、電気マッサージやはり治療をして再試合に臨んだ。疲れは表に出さないようにして、チームの中心で笑顔を見せて鼓舞し続けた。

 反撃及ばず、長い二日間を終えた後にも、泣かずにこらえた。「本当は悔しい。でも自分が暗いとチームも暗くなるから」。やせ我慢の笑顔が輝いた。 (牧野新)

 

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