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【第100回全国高校野球選手権大会・埼玉】

<熱球譜>渾身の一球 打たれて悔いなし 滑川総合3年・岡崎良介投手

強豪校相手に力投する岡崎良介投手

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 0−0の二回。満塁の危機でも攻める気持ちを忘れなかった。「2年半磨いてきた内角直球を投げる」。そう決めて投げた渾身(こんしん)の一球が少し高めに浮いた。見事に打ち返され、満塁本塁打に。「今大会で一番いい球だった。仕方ない」。試合後に左腕はさばさばと振り返った。

 強豪花咲徳栄には内角を攻めることが大切と分析していた。持ち味の制球力を生かすため、昨年秋から横手投げに変更。今大会の調子は悪くなかった。

 初回は無失点で切り抜け、二回のあの場面も逃げずに内角を投げきった。だが、満塁打以降も失点は続き、三回途中で降板。「守り切れなかったのは申し訳ない」。強豪校の壁はやはり厚かった。

 チームは打撃好調でここまで勝ち上がってきた。逆転を信じて降板後も外野手で出場を続けたが、最後の打席であえなく三振。甲子園に届かなかった悔しさを押し殺し、「後輩には徳栄に勝って甲子園に行ってほしい」。届かなかった夢を託して球場を後にした。(藤原哲也)

1回裏1死三塁。先制の左犠飛を放つ昌平の佐々木涼太選手

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◆先輩の意地 主軸で引っ張る 昌平3年・佐々木涼太選手

 快音が響き、打球が左中間を抜ける。「負けるわけにはいかない」。3番打者は雄たけびを上げながら二塁まで駆け、仲間の生還を見届けた。主軸唯一の3年生、意地の一打だった。

 九回の打席に入る直前、普段は冷静な2番・千田泰智選手(1年)が「先輩を負けさせたくなくてつい気持ちが出た」と内野ゴロなのに頭からダイブ。後輩の執念を目の当たりにして燃えないわけがなかった。

 「後輩が気持ちを見せてくれたから打てて良かった」。手には心地よい感触が残っていた。

 元々は1番打者。監督は「1番を打ちたくないって言うから3番を打たせてます」と笑うが、本人の本心とは違う。後輩ばかりの主軸に入れば、3年生として引っ張らなければいけない。打撃不振に陥っていた自分への特効薬でもあった。

 効き目は抜群。準々決勝で満塁本塁打を放つなど結果を残し続けた。

 5試合42得点の強打で4強を達成したチーム。中心は紛れもなく、主軸唯一の3年生だった。(牧野新)

 

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