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【神奈川】

歴史知ってヘイトなくす 在日2世の宋富子さんが講演会

「正しい歴史を知ってほしい」と訴える宋富子さん=川崎市川崎区で

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 在日コリアン二世の宋富子(ソンプジャ)さん(75)=川崎市川崎区=が十六日、ヘイトスピーチ(憎悪表現)問題について、中原区で講演する。宋さんは、川崎市内などで繰り返される在日コリアンへのヘイトスピーチを「歴史が正しく認識されればなくなるはず」と考えており、自らの体験などを交えて語るという。 (小形佳奈)

 宋さんの父は、一九二六年に来日し、土木作業員をしていた。宋さんが二歳の時に亡くなり、母が廃品回収などをして七人の子どもを育てた。小学校時代、宋さんは「朝鮮人は殺してやる」と言われ、トイレに閉じ込められたり殴られたりするいじめを受けた。「自分はだめな人間だと思い込んでいた」

 二十歳で生まれ故郷の奈良を離れて結婚。川崎区で自動車修理工場を営む夫との間に一男三女をもうけた。末っ子の長男(49)が通った保育園で牧師に「今は植民地時代ではない。民族名を名乗る自由がある」と言われ、目が覚めたという。

 「植民地ってなんだろう」「どうして今まで誰も、民族名を名乗っていいと言ってくれなかったんだろう」。宋さんは猛勉強の末、第二次大戦前に働くため日本に渡ってきた人々が戦後、日本に同化させられる中で自分の出自を隠さざるを得なくなっていった事実を知った。

 「日本人を恨むより、正しい歴史を伝えることに命をささげよう」と、在日コリアンと日本人の交流施設づくりなどに奔走。現在はNPO法人「文化センター・アリラン」(東京・大久保)の副理事長を務めている。

 「七十年前からヘイトスピーチにさらされ、死ぬことばかり考えていた人生が、人と出会い、歴史と出合って変わった」と宋さん。講演では、自らの体験と、「日本の教育では教えない」歴史について語る考えだ。

 会場のエポックなかはらは、中原区上小田中六の二二の五で、JR南武線の武蔵中原駅近く。午後一時半から戦争体験を語り継ぐ朗読劇に続き、宋さんが講演する。参加費五百円。

 

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