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【神奈川】

<デパオクが熱い!> (中)手ぶらでバーベキュー

デパート屋上の日よけの下で、バーベキューを楽しむ人たち。食材はデパ地下で調達してきた=横浜市港南区の京急百貨店で

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 京急百貨店(横浜市港南区)の屋上に上がると、肉の焼ける香ばしいにおいが漂う。バーベキューだ。後ろから、肉のパックや缶酎ハイ入りのポリ袋を提げた男性が運んでいく。

 ここには昨年、屋上バーベキューが出現、好評を博した。今年は開業を二週間早め、四月九日にオープン。同店広報の村原絢(あや)さん(39)は「昨年の経験から準備期間を短縮でき、お客さまの要望もあって前倒しした」と明かす。

 魅力は手軽さ。大人千八百円の利用料で、炭や焼き網、割り箸からソースまで必要な器材は借りられる。デパ地下で買った食材を持ち込めるのもうれしい。後片付けは店任せ。別料金で飲み放題サービスもある。平日には、仕事帰りでスーツ姿の人たちがバーベキューを楽しむ姿もある。

 屋上ならではの工夫もある。仮設の屋根で、雨と日差しをカット。屋上を取り囲む柵にはネットを張り、風などで物が飛んで落下するのを防いでいる。

 屋上バーベキューの営業主体はデジサーフ(藤沢市)。IT関連事業でスタートし、二〇〇九年に横浜海の公園(横浜市金沢区)のバーベキュー場の予約システムを受注したのを契機に、バーベキュー事業に着手。県内では現在、横浜ジョイナス(同市西区)やウイング久里浜(横須賀市)など商業施設の屋上十二カ所で「デジキュー」の呼び名で営業する。さらに都内や愛知、兵庫県に進出。全国展開も狙っている。

 同社社長の高橋佳伸(よしのぶ)さん(50)は「車を持たない世帯の増加が業績拡大の要因」と見る。かつてバーベキューと言えば、河川敷や公園に器材を積んで車で出掛けるのが常だった。その車がない。ならば駅近くのデパートの屋上で、器材付きならば人気が出るのでは−という読みが当たった。

 商業施設にもメリットがある。京急百貨店は地下の食料品売り場で、味付け肉や魚介類などバーベキュー向け食材をPR。同じく昨年、デジキューが開業したモザイクモール港北(横浜市都筑区)の広報・片岡大輔さん(38)も「地下の食品売り場の売り上げ増につながっている」と話す。

 お客さんの受け止めはどうか。京急百貨店の屋上に、入社同期の十八人で集まった横須賀市の近藤由教(よしのり)さん(25)は「用意も片付けも楽。外の空気を吸えるから焼き肉店と違って開放感がある」と合格点を付ける。

 近くのテーブルでは、横浜市港南区で飲食店を営む高田新太郎さん(38)が常連客と十人でお楽しみ中。河川敷などと比べて雰囲気が落ちるかと思いきや「飲み始めると景色より会話が大事。地下で食材を買い足せて便利」と利点を強調する。

 ニーズとうまくかみ合った屋上バーベキュー。飲酒がメインになりがちなビアガーデンと比べ、子どもも楽しみやすい。各店で営業が続く十〜十一月ごろまで、いい香りが漂いそうだ。 (梅野光春)

 

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