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【神奈川】

<元気人@かながわ>ごみ拾いボランティアリーダー 那須野純花さん(19歳)

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 そろいの緑色のビブスを着てごみを拾い歩く人々を、のぼりを持って先導する。道すがら、おしゃべりも楽しむ。ただ、それだけ。だが、解散後に「ご飯に行こう」と連れ立つ参加者の姿に「ごみ拾いで人の輪が広がるなんてすごいですよね」と目を輝かせる。

 川崎市中原区で一昨年九月、国内各地でごみ拾いボランティアをするNPO法人「グリーンバード」(事務局・東京都渋谷区)の武蔵小杉チームを立ち上げた。活動は毎月第三日曜の午前十時から約一時間。地域貢献がしたいと一人で訪れる学生、幼児連れの父親など、参加者層は幅広い。

 小中学校時代、ひどいいじめを受けた。トイレの個室に閉じ込められて水をかけられたり、後ろから突き飛ばされたり。「人と話すのが苦手、どころか、誰も話し掛けてくれなかった」

 高校に進むと級友や部活の仲間と気後れせず話せるようになった。もっと人脈を広げようとグリーンバードの若者チームやフェアトレード団体、ガーナに学校を建てるプロジェクトなどに参加。イベントを企画し、リーダーとして組織をつくる面白さを知った。

 都内の高校生として一歩引いた目で地元を見ると、通学時に乗り換えで使う武蔵小杉は、学生が駅に多い割に街には少ないと感じた。同世代の若者や駅前に立ち並ぶタワーマンションに住む人たちに街に出てもらい、つながる場にしたいとごみ拾いを始めた。

 現在は、地域情報をウェブで発信する一般財団法人のスタッフも務め、学業との両立に大忙しだ。今月、さらに新たな肩書が加わった。スタッフが産地に足を運んで見極めた農産物などを売るウェブショップ「逸品屋」の代表取締役に就任。市内外で街おこしに関わる人々が設立した会社の運営を任された。「フェアトレード商品も扱いたい」という。

 自分のような若者を応援してくれる人情の厚さ、地域を変えたいと市民レベルで活動する人々の熱意に触れるにつけ、「川崎の強みは人」との思いが増している。いじめ体験で得たのは「つらい人の気持ちが誰よりも分かる」という自負。あのころ大嫌いだった川崎をフィールドに、人とつながり、人と人をつなげていく。 (小形佳奈)

◆私の履歴書

1997年8月 大阪府東大阪市生まれ。1歳から川崎市幸区に住む。小学4年から中学卒業まで6年間、いじめを受ける

2013年4月 日本大学鶴ケ丘高入学。グリーンバード、フェアトレード、ガーナの学校建設プロジェクトなどの活動に関わる

2015年9月 グリーンバード武蔵小杉チーム立ち上げ

2016年4月 大妻女子大社会情報学部入学

2017年1月 逸品屋株式会社代表取締役に就任

 

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