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【神奈川】

「愛着ある車、楽器盗まれた」 肩落とす「川崎吹奏楽団」

盗まれた川崎吹奏楽団のワゴン車(楽団提供)

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 川崎市を拠点とするアマチュア楽団「川崎吹奏楽団」の楽器を積んだワゴン車が盗まれたことが、中原署や同楽団への取材で分かった。鶴田孝団長(56)は「団員から集めた団費をこつこつためて買った、愛着のある車と楽器を盗まれ、怒りのぶつけようがない」と肩を落としており、事件を知った市民や音楽家らから、励ましや支援の申し出が寄せられている。 (小形佳奈)

 署によると、楽器を積んだワゴン車は中原区内の駐車場にとめられていたが、十三日夜から十五日朝にかけて盗まれた。署は窃盗事件とみて調べているが、周辺ではワゴン車が盗まれる事件が他にも三件あったという。

 鶴田さんによると、盗まれたワゴン車は七、八年前、楽器の保管・運搬用に中古で購入。ティンパニーやバスドラム(大太鼓)、シロフォン(木琴)など楽団所有の打楽器や譜面台のほか、個人所有のバリトンサックスやスネアドラム(小太鼓)も積まれていた。購入金額は計三百万円を超すという。鶴田さんは「メンテナンスしながら大切に使い継いできた、思い出の詰まった楽器。金額では計り知れない」。今は、買い替え前の古いバスドラムを使い、譜面台も各自が持ち運ぶなどの不便を強いられている。

 事件を知った市民や全国の音楽家などから「吹奏楽をやる者として許せない」「自分の譜面台を送りたい」といったメッセージが、楽団のフェイスブックやメールに届いているほか、東京都内の音楽大学から打楽器貸し出しの申し出もあったという。団員たちは「メッセージをもらい、気持ちが強くなった」と、次のコンサートに向けた練習に熱を入れる。

 ただ、保険の手続きが済み、新たな車が手元に来るまでは運搬できないため、提供や貸し出しの厚意を断らざるを得ない状況。今月末と来月半ばには、地域密着を掲げる楽団として大事にしている、市内の保育園での演奏会を予定しているが、手持ちの楽器でできる限りの演奏を行うという。

 「見つかってほしいという思いが強く、まだ代わりの楽器を手当てする気にならない」と、つらい胸の内を明かす鶴田さんだが、全国からの激励とともに「自分たちの演奏を楽しみにしてくれる人たちがいる。とにかく前に進みたい」と話している。

 

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