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【神奈川】

川崎市の「食べ切り協力店」制度 PR不足か、開始10カ月で認定ゼロ

半量の丼を手に「食品ロスを出さない取り組みは先代から」と話す相沢さん=横浜市鶴見区で

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 食べられる状態にもかかわらず廃棄される「食品ロス」を減らそうと、川崎市は、小盛りのメニューを出したり、お客への啓発に取り組む市内の飲食店を「食べ切り協力店」として認定する制度を始めたが、これまでの認定件数はゼロ。担当の環境局減量推進課は、飲食店を訪ね歩いて周知と協力要請に努めている。 

 制度は昨年四月に始めた。協力店に認定されれば、市のホームページで紹介される。

 認定は、廃棄物の減量化などに取り組む店舗や商店街を市が認定する「エコショップ制度」の一環。八月まではホームページで協力店の募集を告知。反応がなかったため、九月以降は一日あたり三十キロ以上の事業系ごみを排出する市内約三百五十の飲食店にチラシを郵送したが、効果はなかったという。

 市内にある飲食店や食品製造業者が加入する市食品衛生協会の事務局担当者は「いい取り組みなので、市からお知らせがあれば会員にも周知するが、聞いたことがない。どういう組織を使えば広まるのか分からないのでは」と、市のPR不足を指摘する。

 同様の取り組みで先行する横浜市では、制度実施前の二〇一二年夏、同市中区の関内駅周辺でモデル事業店舗を募った。職員が飲食店や宿泊施設を回って事業の趣旨を説明し、百四店舗の協力を得た。市一般廃棄物対策課の担当者は「待っているだけでは名乗り出てくれないだろうと考えた」と振り返る。

 一三年度に本格実施して以降も、食品衛生責任者の講習会や商店街連合会の会合などで制度をPRし、昨年末までに市内の七百二十二店舗が登録された。

 川崎市の担当課もようやく「呼び掛けるだけではだめだと実感した」と、戸別訪問に乗りだした。「協力店を少しでも増やし、消費者にも食べ切り、使い切りの意識が広がるようにしたい」と話している。(小形佳奈)

◆横浜市、13年度から同様の取り組み 昨年末まで722店舗が登録

 横浜市では「小盛りメニュー等の導入」「持ち帰り希望者への対応」「ポスター掲示などによる啓発」など五項目のうち一項目でも実践していれば、協力店として登録される。市のホームページから、各店舗へのリンクも張られている。

 鶴見区のすし店「重寿司」は、二〇一三年に行われた丼物のコンテストに応募した際、主催の市商店街総連合会から協力店登録を勧められた。コンテストで金賞を受賞した「天然本マグロの合わせ丼」は、通常サイズ(千六百円)の半量を半額で提供している。

 二代目店主の相沢亜香根(あかね)さん(37)は、「『もう少し食べたい』『それなら半量にしますよ』というお客さまとの掛け合いが成り立つのがすし店の良さ」と説明する。持ち帰り用のパックも用意している。

 横浜中華街の大珍樓新館(中区)は、モデル事業の当初から登録している。注文を受けてから調理する食べ放題メニューは一皿の量を少なくしており「いろんなものを少しずつ食べたいというお客さまのニーズにも合っている」と栗原義徳支配人(41)は話す。

 食べ放題は食べ残しゼロがマナーだが、コースで残った料理はパックに詰めて持ち帰ることもできる。栗原さんは「食べ切れないほど出すのが中国風のおもてなし。だからこそ持って帰っていただく。日本の『もったいない文化』とうまく融合できているのでは」。

 

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