東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 神奈川 > 記事一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【神奈川】

原発の理不尽をダンスで表現 川崎出身のカズマさん、あす横浜で上演

パフォーマンスするカズマさん(右)とチェンさん=横浜市中区で

写真

 ダンスを中心とした身体表現と音楽、映像で、東京電力福島第一原発事故後の日本を表現したパフォーマンス「LIES/HARMONY 和とウソの間」が19日午後8時15分から、横浜市中区の関内フューチャーセンターで上演される。演じるカズマ・グレンさん(35)は「原発事故に限らず、同じ間違いを犯し、都合の良い事実だけ信じる人間の特性を表現した」と話している。 (志村彰太)

 演目は、二〇一三年にカズマさんが参加したドイツの反原発デモを基に構成。原発事故後、「安全」「ただちに影響はない」と言い続ける政府や権力者、脱原発の声が「和」を重視するさまざまな圧力でかき消されていく日本の文化を、体の動きや語りで批判的に表現している。

 カズマさんは川崎市高津区生まれの日本人で、ドイツ・ベルリン在住。父は日本人、母は南アフリカ出身。父の仕事の関係で、日本、スリランカ、フランス、米国などを転々とした。「どこに行っても外国人扱いされ、いじめも受けた」。つらい心をいやしてくれたのは、母が聴いていた南アの音楽だった。「アパルトヘイト(人種隔離)に対抗し、自由と平等を勝ち取るための音楽だった。自分も闘おうと思った」

 原発事故時は東京にいた。故郷を追われる人など「多くの理不尽を見た」。事故後の日本人も残念に思った。「コメディアンとかが、この理不尽を表現するかと思ったが、ほとんど見なかった」。自らが前面に出ると決め、一二年からドイツに渡ってアーティスト活動を送る一方、年に数回、日本に来て、原発や憲法、戦争などの問題を想起させるダンスパフォーマンスを披露し続ける。ドイツの脱原発団体「サヨナラ・ニュークス・ベルリン」設立にも参加した。

 共に作劇した台湾系カナダ人のサミー・チェンさん(31)とは昨年夏にドイツで出合った。チェンさんは十三歳で台湾から米国を経て、カナダに移り住んだ。「アジア人だからと差別された。同質のものでないと受け入れない、という考え方は人種差別も原発も一緒だ」と話す。演目では音楽や映像、演出を手掛ける。

 カズマさんは「人気を集めるためのダンスもできる。でも、自分は日本人として、アクティビズム(社会的行動主義)のダンスをやり続けなければならない」と話している。当日の入場はチケットが必要で「TPAM」(国際舞台芸術ミーティングin横浜)のサイトで二千円で購入できる。当日受け付けも可能。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報