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【神奈川】

<私の町の防災力>(1)中原区・武蔵小杉駅周辺 高層マンションの連携密に

防災啓発冊子の内容を詰めるエリマネ防災WGのメンバー=中原区で

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 川崎市中原区の武蔵小杉駅周辺に林立する高層マンション。その一つ、東日本大震災後に建てられた「パークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワー」(三十八階建て)は、各フロアの床下収納に非常用発電機や簡易トイレ、救急セットなどが納められている。また、二戸で共有するロッカーには四人家族で四日分の飲料水とアルファ化米が入っている。こうした対策や非常時の対応法を説いた冊子も、入居時に全戸に配られた。

 一方、震災の二年前に入居が始まった「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」(五十九階建て)。震災後、住民有志でつくる防災委員会が、無線機の使い方や安否確認の方法などを紹介する冊子を作った。各階のごみ置き場に応急担架や飲料水を納める備蓄スペースを設けたことなどが認められ、市の「高層集合住宅の震災対策に関する施設整備要綱」の適合第一号となった。

 マンション同士の連携も活発。二月中旬、武蔵小杉地区の高層マンション九棟でつくる「NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメント(エリマネ)」の防災ワーキンググループ(WG)では、防災啓発冊子の作成が大詰めを迎えていた。

 「高層階で動き回る家具のイラストはどう?」「自分のことと思ってもらうために小杉の写真を入れたら」などと、熱心にアイデアを出し合った。防災ガイドを備えるマンションも多いが「情報量が多すぎて読んでもらえない」と、家具の固定や備蓄など必要最低限の情報に絞り、武蔵小杉で大地震が起きる確率や被害想定を表す数字とともにまとめ、三月末に全戸配布する予定だ。

 「東日本大震災では、停電したり、帰宅困難者がエントランスに集まったマンションもあった。市直下の地震が起きたらもっと混乱するだろう」と防災WG座長の亀井正樹さん(43)。WGでは事前の備えの重要性を周知しようと、啓発イベントを企画運営し、各マンションの防災に関する取り組みをホームページで紹介。市内外の勉強会にも参加する。

 ただ、備えはあってもライフラインの停止など非常事態が長引けば、支援物資や情報が集まる地域の避難所に頼ることになる。そのため各マンションの管理組合は小中高校に開設される避難所の運営会議メンバーとして、町会との連携を模索する。

 上丸子小学校避難所運営会議は、中原区と同小、地元町会、三棟の高層マンション管理組合などで構成される。昨年十一月に行われた避難所開設訓練では、避難所に待機する情報班に、参加マンションから無線で被害状況を伝える訓練も取り入れた。

 管理組合と町会の仲介役でもある中原区危機管理担当の松山和俊さん(43)は「避難所運営にマンション住民がどう関わるか。まずは顔の見える関係を築き、運営マニュアルにも反映させてほしい」と期待する。 (小形佳奈)

  ◇ 

 川崎市は南北に細長く、臨海部から丘陵地帯まであり、子育て世代が流入する一方、高齢化が進む地域もある。市内各地では、こうした地域の特性や課題などを踏まえつつ、住民らによる防災活動が自主的に行われている。その取り組みを四回にわたり紹介する。

 

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