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【神奈川】

県内「自主避難者」に募る不安

灯をともしたキャンドルを手に東日本大震災の犠牲者を追悼する慰霊祭の参加者=横浜市中区の大通り公園で

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 東京電力福島第一原発事故で、国が避難指示を出していない地域から避難した「自主避難者」に福島県が行ってきた住宅の無償提供が今月末で打ち切られる。神奈川県によると、福島から県内への「自主避難者」は、二月一日現在、三百二世帯七百六十四人。打ち切りを受け、四月以降、どう暮らすのかの選択を迫られる。

 自主避難者が最も多く暮らすのは、県が契約した民間賃貸住宅で、百九十五世帯四百七十八人。これらの人を対象に、県が行った意向調査では「避難を続けるつもりで、住居も決まっている」と回答したのが百十三世帯。一方「福島に帰還する」が二十七世帯、「避難を続けたいが住居がまだ決まっていない、未回答」も五十五世帯に上った。

 民間賃貸住宅で避難を続ける世帯には、福島県から最大で月に三万円の家賃補助が給付される(来年四月からは最大二万円)。ただ対象は、月の所得が二十一万四千円以下の世帯。神奈川県も新年度から一世帯につき月に一万円の追加支援を行うが、同様の所得要件を設ける方針だ。

 民間賃貸住宅をめぐり、新たな問題も浮上している。現在の住居に住み続けられるかどうかは、貸し手の意向次第。福島市から川崎市内に母子二人で避難した五十代の女性は二月、住宅の管理会社から四月以降の契約はできないと告げられた。高校に通う息子のことを考え「川崎市周辺」「二部屋以上」の条件で探すと家賃は七万〜十万円ほど。福島・神奈川両県の補助を受けても月に約三万〜六万円の負担が新たにかかる。

 「避難以来、体調を崩しフルタイムでは働けない。どうやって生活すればいいのか」と不安を漏らす。今も住宅を探している。

 福島県南相馬市から横浜市内に避難する「福島原発かながわ訴訟原告団」団長の村田弘さん(74)は「支払い能力に不安があるといった理由からなのか、部屋を貸したがらない業者もある」と自主避難者から相談を受けたという。「期限は目前。貸し手は避難者のやむにやまれぬ事情を推し量ってほしい」と訴える。

     ◇

 横浜市中区の大通り公園では十日、東日本大震災の犠牲者を追悼する慰霊祭があった。福島県からの避難者ら参加した約三百人は八百本のキャンドルに灯をともし、黙とうした。 (加藤豊大)

 

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