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【神奈川】

衆院選区割り案で分割の座間市 「寝耳に水」市民ら戸惑いの声

相模が丘地区の散歩道「さくら百華の道(仲よし小道)」。住民からは選挙区の変更に戸惑いの声が出た=座間市で

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 十九日に答申があった衆院選の新しい区割り案で、初めて市域が分割された座間市。二十日、神奈川13区から16区に変更される相模が丘地区を歩くと、市内の大半と選挙区が別々になることに「なぜ」といった疑問が上がったほか、「変更は知らなかった」との反応が聞かれた。選挙への関心を高めるきめ細かな周知が求められそうだ。 (井上靖史、加藤豊大)

 相模が丘地区は、座間市の最北部で、相模原市南区との境界に位置する。小田急相模原駅の南側にあり、戦後、座間市内への企業進出などに並行してベッドタウンとして発展。有権者数は約一万九千七百人ほどで市全体の18%を占める。

 買い物袋を手に歩いていた無職武居秀男さん(62)に選挙区変更の感想を聞くと「え、そうなの」と驚いた様子。「ニュースでやってたけど、自分の所が変わっているとは思わなかった」

 自宅庭のかまどで家族らとタケノコをゆでていた無職黒木義光さん(63)は「朝、新聞などで知ったが寝耳に水。なぜ、ここが」と首をひねった。

 坂本文彦さん(75)は「突然のことでショック」と落胆を隠さなかった。NPO法人代表として、小田急相模原駅から南西へ約一・六キロにわたって地区を貫く散歩道「さくら百華の道」の維持管理に協力する。

 希少種を含む六十四品種のサクラを春前後の三カ月間に楽しめる散歩道は、新たなにぎわいの場として市が一昨年、坂本さんらと協議して整備した。坂本さんは「市から切り離されたようで、街づくりのやる気を失う」と漏らした。

 「住所も相模原市に変わるのか?」。市選挙管理委員会には二十日、相模が丘地区の住民からこんな問い合わせがあった。「区割り変更をいかに有権者に周知するかは、大きな課題」。白井政明庶務係長(48)は早くも対応に追われていると明かす。

 特に懸念するのが、同地区の有権者が今までのくせで13区の候補者の名前を誤って書き、無効票となってしまうことだ。

 「ホームページなどによる啓発だけでなく、投票所の入場整理券を入れる封筒を13区と16区で色分けするなど、対策を考えたい」

 期日前投票や開票時のミス防止も課題だ。期日前投票については、13、16両区の有権者を区別するため、市役所内の投票部屋を二カ所にすることを検討している。開票作業は市民体育館一カ所で行う予定だが、作業量増加に対応するため、消防士や保育士などの応援を増やし、これまでから七十人増の二百四十人ほどで行う見込みだという。

 「人員も機材もこれまで通りといかず、コストが大幅に増える。職員の残業が長くなるのも間違いない」

 ただ、新区割りを前向きにとらえる意見もあった。次男をベビーカーに乗せて歩いていた主婦安斉裕子さん(35)は、これまで長男の通う幼稚園のイベントに顔を出す候補者に投票していた。「選挙区が変わるなら、この機会に公約でしっかり選びたい」。子育て施策に関心があるといい「子どもを遊ばせながら政策を聞ける場所で演説会をしてほしい」と望んだ。

◆審議会の勧告 知事意見と大きく異なる

 今回の衆院選挙区画定審議会(区割り審)の勧告は、昨年十一月に県が出した知事意見とは大きく異なった。知事意見は「市区町村の区域は分割しないこと」を原則に、行政区や市町をまるごと入れ替えるなど大胆な変更を盛り込んでいた。市町村の意見を踏まえてまとめた。

 13区では座間市域の分割はなく、14区と16区で相模原市緑区と南区の分割を解消する形を盛り込んでいた。座間市の遠藤三紀夫市長は県に対して「集約した意見がないがしろにされ、どうお考えなのか」と指摘。黒岩祐治知事は「分割による混乱を懸念している市もあり、こうした事態が生じたことに関しては残念に思う」とコメントしている。 (原昌志)

 【区割り審勧告の対象地域】 7区の横浜市都筑区荏田(えだ)地域→8区へ▽10区の川崎市中原区井田三舞町と井田杉山町→18区へ▽13区の座間市相模が丘地区→16区へ▽14区の相模原市南区相南(そうなん)の一部と松が枝町→16区へ▽18区の川崎市宮前区神木本町地区→9区へ

 【昨年11月に区割り審に提出した知事意見】 7区の横浜市都筑区と8区の同緑区を入れ替え▽10区の川崎市中原区の一部を18区へ▽18区の同高津区か宮前区の一部を9区へ▽13区の綾瀬市と12区の寒川町を入れ替え▽14区の相模原市緑区の一部を移動し緑区全域を16区に▽16区の相模原市南区の一部を移動し南区全域を14区に

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