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【神奈川】

竹素材弁当箱っていいね! 川崎市内の保育施設など導入の動き

粉砕機で細かくした竹を手にする森川さん(左)と、ユニペレを使った弁当箱を持つ毛利さん=中原区で

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 川崎市内の竹林で間引きしたモウソウチクを原料にした樹脂素材を使った弁当箱が、市内の保育施設などの給食に使われることになりそうだ。手入れできず放置されている竹林の対策に悩む農家を救い、竹の抗菌効果で食の安全を確保するウィンウィンの取り組みとなるか、関係者の期待が高まる。 (小形佳奈)

 中原区の樹脂製造・加工業者「ユニオン産業」は十五年ほど前、千葉県や徳島県内の竹を使った樹脂材料「ユニペレ」を開発した。

 森川真彦社長(70)が、環境に配慮して化石燃料以外の樹脂材料を探していたところ、強い繁殖力で里山を荒らすモウソウチクの「竹害」について農業関係者から聞いたのがきっかけだった。

 「ユニペレ」は、ポリプロピレンを48%、細かく粉砕した竹を最大25%配合する。残りの有機物や添加物の配合は「企業秘密」(森川さん)。抗菌性に優れ、カビも抑制するほか、プラスチック製品と比べて焼却時にダイオキシンの発生が抑えられるという。

 弁当箱に導入されたのは二年前。森川さんが市内の教育、福祉の現場でユニペレ製品を使えないかと市産業振興財団に相談し、高津区の仕出し弁当製造「アポルテフードファクトリー」を紹介されたのが製作の始まり。

 アポルテは、市内や東京都内の保育施設、私立小学校の給食用の弁当も製造しており、「大人用以上に衛生面に気を使う」と毛利公一営業統括部長(48)。森川さんと相談しながら「ユニペレ」を使い、子どもの食事に適した大きさと仕切りのある弁当箱を作った。金型から作る分、市販の食器よりコストはかさむが「大量生産で値段は下げられるのでは」と毛利さん。川崎認定保育園「みらいっこ」(中原区)では「食事の素材も容器も安全性重視ということで、別の業者から変更した」(運営会社の中村悠香代表)という。

 「ユニオン産業」では昨年秋から、高津区の農家から無償で譲り受けた「川崎の竹」を使ったユニペレが安定生産できるめどがついた。アポルテの弁当箱も順次、「川崎の竹」に切り替える予定にしている。

 市農業振興課の担当者は「竹が生えすぎて処理に困っている農家も多く、取り組みが軌道に乗れば助かるはず」と話す。

 

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